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日常を変えるのは誰なのか

投稿日:2017/6/25

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Photo by Kotaro Yatsu
Written by Ayako Kai


見慣れた景色、過ごし慣れた空間とは
安心感がある反面、自らに与える影響は乏しい。
 
日々全く異なる生活を送るという人はそう多くないだろうし、
何度も体験してやがて「安定」を得るのだと思う。
 
安定に対し否定するつもりはない。
 
不安定な土台の上には何も積み上げる事は出来ないからだ。
 
 
スタジオのスタッフにとって撮影空間は見慣れた日常だ。
天候や時間による光の入り
インテリアの配置
撮影に使う小物。
 
何十、何百と繰り返される撮影で自分のスタイルを掴み
その場所での「安定」を手に入れる。
 
そこで与えられる変化とは何だろうか。
毎度違う被写体?
 
それだけなのだろうか。
 
 
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少女が立つのは
メインの撮影部屋と衣装室を隔てる仕切りの前。
 
普段ならばこの場所で衣装提案をし、
着付けを行い、
スタッフやお客様が意識を止める事なく通り過ぎる場所。
 
カメラマンはあえてこの場所を選んだ。
 
背後には少し年季の入った白の床板が続き、
奥には植物や小道具が詰められた箱
カラフルな本
ピンクに染められた車など
普段であればよく撮影に登場するインテリアが置かれている。
 
だがそれらを写さない。
 
彼女を高さのある棚の上に立たせ
背後の足元の頓挫さが消えた。
 
更に目線が高くなったことで木の緑がバックに写り込み
葉の重なりから生まれる色の濃淡が
写真に彩りを添える。
 
白い壁や飾られた写真、インテリアのガラスに反射する光。
レースのカーテンから感じる繊細な質感。
それらのインテリアが構成する縦のライン。
そして少し青みがかった色調が
透明感を感じさせる写真を生み出した。
 
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日常の中に潜む非日常。
 
変化を待つのではなく
自ら視点を変える事
探し続ける事が
変われるきっかけになるのかもしれない。

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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