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こころ 夏目漱石

投稿日:2013/8/5

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家ではテレビをつけている派ですが、見たい番組はなかなかオンタイムで見られないので

よく録画をします。

 

最近録画し出したのが、NHK教育の「100分de名著」。

全4回に渡ってひとつの本を読み解いていくという内容です。

読んでみたいけど敬遠していた、そんな対象になりそうな本を取り上げていて

初回は夏目漱石の「こころ」でした。

読んだ本だったこともあって思わず見入ってしまったのですが、、、

これが要点がまとまっていて見やすいのです。

 

こころを初めて読んだ時は、これがあの千円札の人が書いた本か…!と不思議な気持ちになったものです。

内容が思いがけず俗っぽいのにも驚きでした。

自尊心、嫉妬、略奪愛、自殺…

今の時代でドラマでリメイクしてもおかしくないような内容だと思います。

主人公の青年が先生と慕う男性。この男性がこの小説の核心的人物。

若かりし頃、先生はクラスメイトのKの無骨な生き方を哀れに思い、何かと世話を妬いていました。

2人は親友となりました。

ところが前向きに変化するKは次第に先生の脅威へと変わっていきます。

そして最終的に自分に不利益を被る予感を察知し、ひどい方法で友人を裏切るのでした。

そうして先生は親友を失うわけですが…

まさかそんな結末が待っているとは、

きっと先生も予測できなかったでしょう。

主観でしか捉えていなかった先生には見えないところだったとも言えます。

恋愛の力ってある意味何よりもエネルギーを秘めているのかもしれません。

先生はKを友人、親友だと思っていたのでしょうか。

世話を妬いたのはKという人が好きだったからだと思いますが、

そこには少しの優越感と支配感もあったように感じます。

だからこそ自分にコントロールができなくなっていくことに大きな脅威を感じたのでは。。

先生の方が「上」であることが先生の中では常識だったのかもしれません。

だからそのKに恋愛を奪われることなど耐え難いものだったのでしょう。

そうして、後にKを失うことで、先生は自身の愚かさ卑しさにより大きな喪失感を味わうことになりました。

 

その喪失感は自分の哲学を失うことでもあり、

それはイコール生きる意味を失うことと等しかったのだと思います。

 

誰しも自分を悪人だとは思いたくありません。

自分の行動はきっとすべて自分の哲学に基づくものであり

できるなら善でありたい。

そう思うはずです。

それでも善でいられないのは欲があるからなのかもしれません。

最終的には先生は主人公の青年に自らの遺書をたくします。

まるでそれは先生にとっての落とし前であり哲学の終着点のようでもありました。

 

時代を経て今でも感じることの多い「こころ」

ここには人間の普遍的なものがたくさん隠れているような気がします。

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