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shonan2月テーマ「誰も知らない」

投稿日:2013/2/22

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誰も知らない

Nobody Knows

 

「トラックからアパートに荷物が運び込まれてゆく。

引っ越してきたのは母けい子(YOU)と明(柳楽優弥)、京子(北浦愛)、茂(木村飛影)、ゆき(清水萌々子)の4人の子供たち。

だが、大家には父親が海外赴任中のため母と長男だけの二人暮らしだと嘘をついている。

母子家庭で4人も子供がいると知られれば、またこの家も追い出されかねないからだ。その夜の食卓で母は子供たちに「大きな声で騒がない」「ベランダや外に出ない」という新しい家でのルールを言い聞かせた。

子供たちの父親はみな別々で、学校に通ったこともない。

それでも母がデパートで働き、12歳の明が母親代わりに家事をすることで、家族5人は彼らなりに幸せな毎日を過ごしていた。

そんなある日、母は明に「今、好きな人がいるの」と告げる。今度こそ結婚することになれば、もっと大きな家にみんな一緒に住んで、学校にも行けるようになるから、と。

ある晩遅くに酔って帰ってきた母は、突然それぞれの父親の話を始める。

楽しそうな母親の様子に、寝ているところを起こされた子供たちも自然と顔がほころんでゆく。

だが翌朝になると母の姿は消えていて、代わりに20万円の現金と「お母さんはしばらく留守にします。京子、茂、ゆきをよろしくね」と明に宛てたメモが残されていた。

この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちだけの"漂流生活"が始まった―――。」

 

_「誰も知らない」HPより

 

 

公開当時、なんだかものすごく話題になっていたような記憶がある。

でも私は観たことがなかった。

「話題になっている」映画を敬遠してしまうクセが、私にはある。

 

HPを開くとこんな文字があった。

 

「生きているのは、おとなだけですか。」

 

この映画を観て、あらすじを思い浮かべていると

この言葉に心をチクンと突き刺されるような気持ちになる。

 

おとなだけですか。

静かに問う言葉の重さが痛い。

 

この映画はもちろんフィクションだけれど、

実際に起きた事件をモチーフにしている。

 

巣鴨子ども置き去り事件。

 

母親が父親の違う子どもたち数人をもち、そしてその責任を放棄し、

結果命を落とした子どもまでいた。

そうでなくても学習能力が極端に低い子どもが、

この世に生まれたことすら認識されずに生きていたというのだ。

信じがたい事実。

 

日本国憲法25条

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」

幸福追求権。

 

幸福を追求していい「権利」

 

「誰も知らない」のようなケースでの権利はなんなのだろう。

彼ら子どもたちに与えられた権利とはなんなのだろう。

 

親に甘えていい。

おかしを食べていい。

毎日お風呂に入っていい。

暖かい布団で寝ていい。

学校で勉強していい。

 

権利はあったはずだ。

しかしその権利を親は与えなかった。

 

権利はあっても、認める人、環境がないとそれは成立しない。

 

たとえば、母親が行かせなかった「学校に行くこと」

日本では中学校までは義務教育なのだから

これは責任でもあると思う。

そしてそれは子どもではなく親の責任。

責任を果たさなければ罰せられるし批判もされる。

 

責任は個人にゆだねられるもの。

 

しかし、そのグレーゾーンに生きる子どもたちが

今もこの日本にもいるというのだから。

このテーマは、深めていくほどに、自分の息は詰まりそうになった。

 

何より優先されるべきは子どもの健康、命・・・

無責任な大人にむなしさと憤りを感じながらも、

子どもから見た大人はみな同じく映ってしまうのなら

結局大人は責任を果たしていないのと同じなのかもしれない。

そんな風にも思った。

 

店舗討論で黒木さんが言った言葉が印象に残っている。

 

「俺たちがそれで何かボランティアをしようだとか、そういうことではないと思うんだ。

子どもをもった時に、きちんと自分の子どもを愛していけるようにみんながなるってことでしょ。」

 

 

 

視野を拡げようとすると、自分のまぶたより広い世界を受け入れようとしたときには

まぶしくて辛くなるときもある。

 

見えない闇に恐れを抱かないこと。

今感じられるものを大切にしたい。

 

 

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