Photo by Sugawara & Mayu

ISO400

f3.2、1/200

 

私はいったい何歳のときに靴を履けるようになったんだろう。

 

妹がいる手前、なんとなく大人ぶりたい子どもだった私

きっとこっそり履けるようになって、

大人の前では「ひとりで履けるし」みたいな顔をしていたのではないかな、と思う。

 

いぶちゃんには一つ離れた妹がいる。

妹のあーちゃん。

大好きなあーちゃんにもおもちゃを貸してあげたい、

けど、いぶちゃんも遊びたい。

撮影中、果物の入ったかごを体が反るくらい本気でひっぱりあったりして

周りの大人をヒヤヒヤさせた。

あーちゃんと一緒にごろんとすると、

じゃれて、小さい腕でぎゅぎゅっと抱き寄せようとするけど

まだ小さい体は動きたいあーちゃんをとらえられなくて。

まるでプロレスのように必死にホールドする形となって

これまた大人たちをヒヤヒヤさせた。

 

そんないぶきお姉ちゃん。

お姉ちゃんとはいえまだまだ遊びたいお年頃。

スタジオを縦横無尽に走り回る。

 

＿いぶちゃん、ここでお靴履いてみて？

 

いぶちゃんはうん、とも、いいよ、とも言わず、ぴたっと止まって

床に座って

おもむろに靴を履きだした。

 

これがお姉ちゃんの意地なのだ。

きっと。

 

わーわー言っていたスタジオが一瞬すっと静まって

みんながその様子を見守った。

 

なんとなくお姉ちゃんに感情移入してしまうのは、自分もそういう気持ちを味わっていたような気がするからなのかしら。。