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【Life circle】「石を砕く人」Gustave Courbet

投稿日:2011/11/15

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ギュスターヴ・クールベという画家は、19世紀中ごろの革命などが起きる動乱のフランスにあって

社会主義的な思想に対し自由と権利を主張する民衆のために

全面的に民衆の立場に立ち画家としての主張を強く出した人物のようだ。

 

それまでの古典絵画が「夢」や「理想」のような

キラキラとした美しい世界を描くことが主だったのに対して、

クールベはそういった世界ではなく、現実である意味見ないようにされているような民衆のエネルギーを絵画として残すことで

当時の社会に強く反発をしている。

 

「天使は見えないので描かない」

という言葉がクールベの意思をシンプルに力強く表している。

 

絵画というもの自体が上流階級のサロン画家が描くもの、という時代にあって、

そういう人々があえて見ないようにしたかったような、あまりにも「現実」の世界。

自由を求める民衆の姿を描くことで絵画のあり方に一石を投じたのではないだろうか。

 

絵画の歴史という点でも、今見たらそのまま受け入れられる絵だが

当時のそういった時代背景を考えると、それは見たままの絵画以上の意味合いを持ち

人々の心にも深く刻まれたことだろう。

時代背景と彼の強い意志が合致した結果だ。

 

いつの時代も、政治やそれに基づく思想は意見が合致し全ての足並みが揃うことはない。

悠々と暮らす貴族がいれば、

その貴族のため(生活のため)働く民衆もいる。

 

しかしそれを「見ないふり」をして生活するのは自然なことではない。

彼の絵画が評価されたのには、もちろん描かれた民衆もそうだが

それを同じように感じていた画家も多くいたからではないか。

 

「違和感」を強い意思を持って打ち砕くには

タブーとされるところと現実問題のちょうど境目の部分をうまくすくい上げ

互いに理解できる現実を同じ目線で見ることが必要なのかもしれない。

 

 

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