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『女官たち』ディエゴ・ベラスケス

投稿日:2011/10/17

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第一回目の哲学サークルでは、アルブレヒト・デューラーの「自画像」について。

 

今回はディエゴ・ベラスケスの「女官たち」について。

 

思えば今まで真剣に絵画に触れたこともなかった。

しかしこうした形で「絵画」に対して向き合ってみると、不思議なことに自然と様々な「?」が浮かんでくる。

 

「女官たち」

この絵画には多くの登場人物がいる。

まずぱっと目をひくのは中央位置の幼い王女なのだが、

次にパンっと目が引き寄せられたのが右側の女性である。

本によれば、当時の時代背景と密接に関わる人物のようだ。

当時、先天的な異常を持って生まれた人が、

「愛玩動物的な存在として」

王宮で暮らしていたというのだ。

 

愛玩動物?!!

 

衝撃的だ。

現代だったら確実に人権問題に発展するだろう。

 

でも当時ではそれが当たり前だったのだからきっとさして問題ではないのだろう。

時代と人権問題は形は変われどいつも近い問題にも思えた。

 

そしてこの絵画の主役は誰なのか?

 

一気に謎に思えるのは、この絵画の作者が絵に写っているからだ。

描いている者が絵にうつることの意味は?

自分を物の様に客観的に捉えており、

そこには、あたかも王女と国王にかいがいしく仕える人々の一人として

そこにいるようであって、

実のところ

「自分は王宮おかかえの画家である!!」

という自負の念も感じられる。

 

画家ディエゴ・ベラスケスは改宗ユダヤ人ということで

当時のスペインでは蔑視の対象であったと。

それをふまえて絵画を見ると、意味合いは全くかわる。

 

自分を客観視しながらとらえつつ、

自らの意思を強く反映させている作品であるように感じた。

 

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