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『 少年の歌 』
投稿日:2020/3/21
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『 少年の歌 』
No.24 Life studio Shonan
Photo by Masashi Kuroki Coordi by Izumi Saito
「親からすれば子どもはいくつになっても子ども」
最近、成人式や大学入学記念、プロフィール撮影と成人を撮る機会が増えてきたように感じます。
そんな撮影の際、親御さんが決まって口にする言葉が「いくつになっても子ども」という言葉。
大きくなった息子、娘を見て思い出すのは赤ちゃんの頃の我が子。
ぐずって泣いたり、お漏らししたり、いきなり笑って周りを和ませていた赤ちゃんの頃のあなた。
そんな赤ちゃんの思い出は人生からすれば一瞬の出来事。
でも一瞬だけどいつまでも忘れない瞬間。
常に今の我が子と重なって見えるその「一瞬」。
その一瞬の記憶が残り続けるから大人になった子供を見てもやっぱり「こども」と感じる。
そして、成人を迎えた息子、娘が撮影をしている姿をまじまじと見ているとなおさらその瞬間が思い出されるのでしょう。
今回は少し「男の子」に寄った話になりますが、よく「男って生き物は…」とか「男って奴は…」とか、少々「しょうもない」という意味の言葉ってありますよね。
綺麗な言葉で言えば「大きくなっても少年の心のまま」という表現もありますがどの言葉にも「しょうもないけどそれが愛嬌でもあるんだよなぁ」っていうちょっとした愛らしい意味も含まれているように感じます。
自分自身もいつまでも夢や野望を持っていたり、くだらないことを言って笑わせたりしている人生なので周りから「いつまでも少年みたいだな」と言われたりもします。
「少年の心」
そこで、この少年の心というもの。
はっきりと何を指すものなのかは分からないんですが絶対に無くしちゃいけないものなのではないかと私は思っています。
しかしながら、一言で言うとなると何て言っていいか分からない少年の心って何だろうなぁ?と思っていたある日、ある曲を聴いて少年の心を感じたことがありました。
その曲は国民的バンドTHE BLUE HEARTS 『未来は僕らの手の中』です。
その曲に「僕らは負けるために生まれてきたわけじゃないよ」という歌詞があります。
ちょうど少年の心って何だろう?と考えていたこともあり、その歌詞を聴いた時、「少年の時に抱いていた夢を追い続けろ!」とか「諦めるな!」とか「やりたいようにやれ!」というメッセージとして私の心に刺さりました。
大人になると時に諦めたり、現実を見ざるを得なくなります。
でも少年の頃、そう簡単に諦めるなんてことしませんでしたよね。
むしろその時、諦めるなんて言葉を知らなかったのかもしれない。
そうです、少年の心ってそういう事なんだと思います。
この曲に限らずこのブルーハーツの曲は全てと言っていいほど「少年目線」で描かれているんです。
小学校の時から聴いていますが大人になってから聴くとあの少年の心を取り戻せる歌。
難しい言葉を一切使っていないのに大人達に少年の気持ちを取り戻させてくれる曲。
まさに「少年の歌」なんですよね。
こんな素晴らしい音楽に匹敵するかは分かりませんが、そんな「少年の心を取り戻せるような写真を」という思いをこの写真に込めました。
ぐずって泣く僕を微笑んで見つめる兄と母。
その思い出を思い出としてフラッシュバックさせる効果を増幅させる逆光に包まれながらメッセージ性を強めるために限りなく寄る。
余計なものは入れずに「素」の家族だけを納める。
大きくなった彼がこの写真を見て少年の心を取り戻せるように。
私たち子供写真館の原点は赤ちゃんの撮影です。
そこからその子供たちの成長を時間の経過と共に写真に納めていきます。
そして20年後、成人になった彼を撮った時、こんな写真があれば少年の心を思い出すきっかけになるかもしれません。
私は少年の心で追い続けます。
THE BLUE HEARTSのような写真を撮るために。
Written by Masashi Kuroki Shonan
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