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『 四角い視覚 』
投稿日:2016/9/2
1307 0
No.24 Lifestudio Shonan
Photo by Masashi Kuroki
Codi by Chisaki Yamane
ライフスタジオには撮影に対して情熱を注ぎ続けている者が多くいます。
そんな仲間たちと日々、写真の話をする機会がたくさんあります。
時には朝方まで話し合う事もしばしばです。
写真に対する想いや得意分野などはその人によって様々なので話す人により話す内容は変わってきます。
ですが、どの人と話していても必ずと言っていいほど話す話題があります。
それは、「いい写真の条件とは?」という話題です。
自分は正直この話題が好きではありません。
むしろ嫌いであると言い切れる話題かもしれません。
なぜなら、その話題には明確な答えなど無いからです。
ですが、今回は敢えてこの自分が嫌いな話題に関して話していきたいと思います。
嫌い、と言うと少々子どもじみた言い方に聞こえますが、この答えの無い、もしくは答えなど無数にありすぎて絞ることが出来ないであろう話題をここで触れる理由としては「写真」というものに携わり、撮影を人生としている者たちとして逃げることが許されない話題だからです。
正直、嫌い嫌いと言っていても朝方までこの話題で進むことも多々あります。
そもそも人には十人十色の感性や受け取り方があるのにも関わらず、写真という壮大な括りに対し「良い」とするのは無粋な気がします。
例えば、「いい人の条件」として考えた場合、「優しい」や「面白い」など色々あるとは思いますが、実際自分が「いい人」と思うのは個人的な意見が多く含まれるでしょう。
つまり、そんな一般的な言葉だけで「いい人の条件」としてしまったら世の中いい人だらけになってしまいますよね。
もちろん世の中いい人だらけですけど。。。
これは「いい料理の条件」などとも同じことで写真も同じことです。
ですが、言い方を変えてこう考えたらその意味は変わってくると思います。
それは、「いい写真に必ず備わっている条件」です。
つまり、「こういった写真が良い写真である」という事ではなく、「良いとされる写真にはこれが備わっていることが多い」という意味です。
しかし、その条件はこれまた多くあるでしょう。
そこで私が思うその条件の中で全てに当てはまると言っても良いのではないかという条件をあげます。
それは「バランス」です。
先に言ったように条件はたくさんありますがその中でも必須の一つであると私は思うのです。
本来、切れ目など無い視界を四角い枠で切り取る写真。
そしてその四角の中でバランスを保ち、その四角の中にその状況の全てを詰め込む。
まずこの段階こそが「いい写真の最低条件である」と思います。
そこから人を写す際にはこの準備が出来てからこそようやく感情移入をしていくのです。
私はこのご家族に会うことを楽しみにしていました。
なぜなら、スタジオとしては決して大きいとは言えない部屋に九人の家族。
これを楽しみにしなくてどうするのでしょうか。
私がワクワク、ドキドキする事。
それは、手強い相手にこそ感じます。
普通に写すだけならば手強くはないでしょう。
ですが、一人一人をどう写すか?
それを考えれば考えるほど被写体はどんどん力を増していきます。
自分の中で勝手に相手を強くして臨む。
ある意味ドMの精神のようなものでしょうか。
そんな瞬間が一番集中と興奮が湧いてきます。
車がスタジオに到着し、一歳の女の子を抱いて入ってきたお父さん、ではなく二十歳のお兄ちゃん。
そしてぞくぞくとスタジオに入ってくる九人の家族。
私はまずその一人一人と会話をし、少々緊張しているように見えた一人一人をほぐす事に徹しました。
なぜならその緊張は私だけに必要なものであり写る人たちが持ってしまっていると私の思う良い写真の第一条件であるバランスが保てなくなるからです。
撮影の時間はあっと言う間に過ぎました。
今、これを綴りながらも「あぁ、あの時こうすれば良かった。。。」などと悔しい想いも正直あります。
それと同時に「次回はこう写したい!」
そんな想像で頭がいっぱいでもあります。
日々、目にする日常の風景。
駅のホームで電車を待つ人達。
ベンチに座っている人、並んでいる人、歩いている人。
気が付くと、見ているだけなのにそんな日常の光景を四角い枠に入れて切り取ってしまう。
意図的に配置しようもない人達をバランス良く切り取るために自分の視覚の中に四角を描く。
自分の頭の中だけで出来たいい写真。
「いい写真の条件」
その第一条件とは私はバランスではないだろうか、と言いました。
勿論、それも必要不可欠なことです。
ですが、「いい写真の条件」それは、
貪欲に追いかけ続ける者たちが写した写真なのではないでしょうか。
そんないい写真の条件を満たした写真がこのライフスタジオには多く存在しています。
そしてそんな写真こそがライフスタジオが追いかけ続ける写真なのだと私は思います。
Photo by Masashi Kuroki
Codi by Chisaki Yamane
ライフスタジオには撮影に対して情熱を注ぎ続けている者が多くいます。
そんな仲間たちと日々、写真の話をする機会がたくさんあります。
時には朝方まで話し合う事もしばしばです。
写真に対する想いや得意分野などはその人によって様々なので話す人により話す内容は変わってきます。
ですが、どの人と話していても必ずと言っていいほど話す話題があります。
それは、「いい写真の条件とは?」という話題です。
自分は正直この話題が好きではありません。
むしろ嫌いであると言い切れる話題かもしれません。
なぜなら、その話題には明確な答えなど無いからです。
ですが、今回は敢えてこの自分が嫌いな話題に関して話していきたいと思います。
嫌い、と言うと少々子どもじみた言い方に聞こえますが、この答えの無い、もしくは答えなど無数にありすぎて絞ることが出来ないであろう話題をここで触れる理由としては「写真」というものに携わり、撮影を人生としている者たちとして逃げることが許されない話題だからです。
正直、嫌い嫌いと言っていても朝方までこの話題で進むことも多々あります。
そもそも人には十人十色の感性や受け取り方があるのにも関わらず、写真という壮大な括りに対し「良い」とするのは無粋な気がします。
例えば、「いい人の条件」として考えた場合、「優しい」や「面白い」など色々あるとは思いますが、実際自分が「いい人」と思うのは個人的な意見が多く含まれるでしょう。
つまり、そんな一般的な言葉だけで「いい人の条件」としてしまったら世の中いい人だらけになってしまいますよね。
もちろん世の中いい人だらけですけど。。。
これは「いい料理の条件」などとも同じことで写真も同じことです。
ですが、言い方を変えてこう考えたらその意味は変わってくると思います。
それは、「いい写真に必ず備わっている条件」です。
つまり、「こういった写真が良い写真である」という事ではなく、「良いとされる写真にはこれが備わっていることが多い」という意味です。
しかし、その条件はこれまた多くあるでしょう。
そこで私が思うその条件の中で全てに当てはまると言っても良いのではないかという条件をあげます。
それは「バランス」です。
先に言ったように条件はたくさんありますがその中でも必須の一つであると私は思うのです。
本来、切れ目など無い視界を四角い枠で切り取る写真。
そしてその四角の中でバランスを保ち、その四角の中にその状況の全てを詰め込む。
まずこの段階こそが「いい写真の最低条件である」と思います。
そこから人を写す際にはこの準備が出来てからこそようやく感情移入をしていくのです。
私はこのご家族に会うことを楽しみにしていました。
なぜなら、スタジオとしては決して大きいとは言えない部屋に九人の家族。
これを楽しみにしなくてどうするのでしょうか。
私がワクワク、ドキドキする事。
それは、手強い相手にこそ感じます。
普通に写すだけならば手強くはないでしょう。
ですが、一人一人をどう写すか?
それを考えれば考えるほど被写体はどんどん力を増していきます。
自分の中で勝手に相手を強くして臨む。
ある意味ドMの精神のようなものでしょうか。
そんな瞬間が一番集中と興奮が湧いてきます。
車がスタジオに到着し、一歳の女の子を抱いて入ってきたお父さん、ではなく二十歳のお兄ちゃん。
そしてぞくぞくとスタジオに入ってくる九人の家族。
私はまずその一人一人と会話をし、少々緊張しているように見えた一人一人をほぐす事に徹しました。
なぜならその緊張は私だけに必要なものであり写る人たちが持ってしまっていると私の思う良い写真の第一条件であるバランスが保てなくなるからです。
撮影の時間はあっと言う間に過ぎました。
今、これを綴りながらも「あぁ、あの時こうすれば良かった。。。」などと悔しい想いも正直あります。
それと同時に「次回はこう写したい!」
そんな想像で頭がいっぱいでもあります。
日々、目にする日常の風景。
駅のホームで電車を待つ人達。
ベンチに座っている人、並んでいる人、歩いている人。
気が付くと、見ているだけなのにそんな日常の光景を四角い枠に入れて切り取ってしまう。
意図的に配置しようもない人達をバランス良く切り取るために自分の視覚の中に四角を描く。
自分の頭の中だけで出来たいい写真。
「いい写真の条件」
その第一条件とは私はバランスではないだろうか、と言いました。
勿論、それも必要不可欠なことです。
ですが、「いい写真の条件」それは、
貪欲に追いかけ続ける者たちが写した写真なのではないでしょうか。
そんないい写真の条件を満たした写真がこのライフスタジオには多く存在しています。
そしてそんな写真こそがライフスタジオが追いかけ続ける写真なのだと私は思います。
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