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『 今、何を想う 』

投稿日:2018/4/29

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『 今、何を想う 』
 
Life studio Shonan
Photo by Masashi Kuroki
Codi by Mayuko Hara
 
 
先日とある情報番組でリアルイラストレーターの特集をしていました。
そこに描かれていた野菜や果物、寿司などの絵は、それは緻密で繊細であたかも本物を写した写真、又はCGかのように見えました。
その多くは普段、誰もが手にする商品のパッケージなどに使われ販売促進の役割も担っています。
 
そこで番組に出ていたコメンテーターがこう言いました。
「写真のようにそこにある物をただ撮る事は簡単ですが、この絵の様にここまで美味しそうに表現する事は出来ないですからね」と。
 
確かに写真は今そこにある現実を写すもの。
美味しそうでない物を美味しく見せる事とはまた違った話しかもしれません。
しかしそこにある現実というものに向けてただただシャッターを切るということではフォトグラファーとしては成らず、そうなる為にはその現実に「表現」という技術を使わなければなりません。
そうすることで、例えば冷たい料理をあたかもあたたかい物のように写す事も出来るのです。
しかし、これは写真というものの奥深さでもあり難しさでもあります。
それは時に、その表現を重視してしまうが故に本来の美味しさの部分を失わせてしまうことに繋がる場合があるからです。
例えていうのならば、美味しそうであるけれど冷たいカレーライスをあたたかそうに写せたものの、美味しそうではなくなってしまった。といった感じでしょうか。
 
欲しいものを手に入れるために失ってはいけないものを失ってしまう。
これでは勿論、表現という名の技術と呼ぶにはほど遠い訳ですが、写真の世界ではよく起きていることだと感じています。
自然な光景を作ろうと不自然になってしまったり、高級感を高めるがあまり本来の良さが薄れてしまったり、と。
 
 

季節は春になり、幼稚園や小学校、そして中学校と入学の季節となりました。
まもなく中学に通う少女はもう昨年とは違い、照れや恥じらい、意志などを感じさせるいわゆる思春期の門も開こうかとしていました。
そこで、彼女の「今、何を想う」を紐解き撮影を進める必要がありました。
最小限のワンポーズで彼女の今の「想う」を表現し、彼女の美味しさの部分を決して失わないように。
 
 
 
自分の目の前にある人を写真に残すことはもっぱら簡単な事かもしれません。
ですが、今、そして今までを写し、且つ「今、何を想う」までをも写し出す事は大変難しい事であり、マニュアルとして表すことの出来ないれっきとした技術であると私は思います。
だからこそ、その技術を会得するために私たちは毎日「発想」を繰り返すべきなのです。

一年間かけての準備より、日々出し続けていく瞬時の発想。
発想とは瞬時のものであり全てが事前に準備できるものではありません。
本当の準備とは、毎日の鍛錬のことを示し、それとはまた区別した「発想するという概念」が無ければならないと私は思います。














 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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