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ヘレニズム
投稿日:2011/2/21
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ギリシャ文化とギリシャ語が主導権を握る、国際共同社会ができあがった。およそ300年続いたこの時代はヘレニズム時代と呼ばれている。
ヘレニズムというのはギリシャ風の文化という意味で
マケドニア・シリア・エジプトの三つのヘレニズム大国にいきわたっていた。
様々な国や文化が取っ払われたことが、ヘレニズムの特徴だ。
それまでは、ギリシャ人やエジプト人やバビロニア人やシリア人やペルシア人は、それぞれの民族宗教のなかでそれぞれの神を崇めていた。それが今や様々な文化が、宗教も哲学も科学も、たったひとつの巨大な魔法な魔女の窯でごった煮される事になる。
『新しい知』のかなりのものは、実は古い思想の遺産なのだ。その根っこをたどっていくとヘレニズムに行きつく。
ヘレニズムの哲学はソクラテスやプラトンやアリストテレスが提起した問題をさらに掘り下げた。
彼らに共通していたのは、人はどのようにしてもっともいい人生を送り、また死ぬべきなのか、という問いに答えようとした事だった。
そして倫理学が前面に出てくる。
(倫理学とは一般的に行動の規範となる物事の道徳的な評価を理解しようとする哲学の研究領域の事)
この新しい国際社会(ヘレニズム)のきわめて重要な哲学のテーマになった。↓↓↓
本当の幸せはどこにあるのか、それはどうしたら手に入るかが問われたのである。
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上記でまとめたのよりももう少し噛み砕いて分かりやすい説明をしてくれている資料を見つけたのでこちらに記しておきます。
この世界は、いったいなんなのだろう? どうやって自然は成り立っているのだろう? この世界に、絶対的な価値観はあるのだろうか? 最初の哲学者と言われるタレス以降、 人類は、ずっと答えを探し続けてきた。 あれから300年……。 ソクラテス⇒プラトン⇒アリストテレス といった偉大な三大哲学者を経て、 やっと人類は、 「物事を観察し、得られた知識を整理して体系化する」 という現代科学に通じる基礎を築くところまでたどり着いた。 人類の探求は、その後、どうなっていったのだろう? 本来ならば、 アリストテレスの仕事に触発された後世の知識人たちが、 もっとより多くの知識を集めて、 どんどん学問の世界を発展させていく、 という展開が理想的なのだが……、 実際には、そうはならなかった。 なんと人類は、突然、急激に知識欲が冷めてしまい、 「科学的な知識」とか、「本当の善」とかそういうものに あまり関心を示さないようになってしまったのである! では、その時代の人々は、何に関心があったのだろうか? それは、「幸せ」である。 「ああ、幸せになりたい!幸せになるにはどうすればいいの!?」 その時代の人々は、「知識」よりも何よりも、 とにかく「幸せ」を求めた。 「幸せになりたい!幸せになりたい!幸せになりたい! 心の平安が欲しい。精神的な安定が欲しい。 もういやだ、こんな世界、うああああああああああああああ!!」 つまり、逆に言えば……、人類は、それほど、 不安定で胸苦しい、混迷の時代を迎えたのである。 その時代の名は、「ヘレニズム」と呼ばれた。 ●国境なき時代 - ヘレニズム時代 その時代に、いったい何が起きたというのだろうか? 簡単に言うと、アリストテレスの教え子の アレキサンダー大王という20歳の若造が、 「世界征服は男のロマンだ、いやっほおぉっ!」と 何にも考えず、ただとにかく東に向かって、 延々と世界を征服し続けたのである。 その結果、ギリシアから、エジプト、インドまでという とてつもなく広大な土地が、10年足らずで、 いきなりひとつの巨大国家となってしまった。 いきなりアレキサンダー大王の軍団がやってきた! そして、有無を言わさず、国々を征服しまくり、 いきなり、すべての国境線を取り払ってしまったのである。
普通ならば、少しずつ領土を拡大して、 占領国を、じょじょに自分の国として 取り込んでいくものを……、 アレキサンダー大王の場合は、矢の雨の中を歩いても、 矢が当たらないほど、ノリに乗っていたものだから、 とにかくもう、ありえないほどのスピードで、 次から次へと国を攻め落とし、 あっという間に巨大な大帝国を築いたのである。 その結果、それまでの国の国境線(仕切り)が、 何の準備もなく、とつぜん取り払われることになり、 それぞれの国で独自だった文化(色)は、 流れ出し、混ざり合い、溶け合い そして……、 あらゆる国の文化が「ごちゃまぜのごった煮」になったような、 なんだかもう、わけのわからない文化ができてしまった。 「仏像なんだけど、なぜか、顔だけはギリシャ人みたいな」そんなよくわからない、古代の西洋と東洋が融合したヘンテコな文化。 これをヘレニズム文化という。 それまで、独自の文化、独自の宗教を、先祖代々守りながら、 真面目に生きてきたその時代の人々にとって、 そんな歪んだ文化の中で生きていくのは、 どれほど苦痛なものだったか想像できるだろうか? 現代の場合、テレビや新聞などの情報網が発達しているため、 僕たちは、異文化についての情報をある程度知っていて、 すでに慣れきってしまっている。 だから、いきなり異文化に触れても、それほど抵抗はない。 でもだ、まったく、そういう情報網がなく、自分自身が、 異文化について、何も知識がなかったと想像してみてほしい。 きっと、ものすごい悲しい気持ちになるだろう。 やりきれない気持ちになるだろう。 結局のところ、アレキサンダー大王が、世界征服を実行したことにより、 人類が体験したこと、それは、 祖国の崩壊……、文化の崩壊…… であった。 そんな世界で、正気を保って生きていくことが、 どれだけ大変なことだっただろうか? 今の時代のように、自分の国にそれほど愛着もなく、 すでに壊れてしまった文化の中で生きている僕たちには、 想像もつかないことかもしれないが、 昔の人たちの感覚からすれば、 「祖国が崩壊し、独自の文化が崩壊する」というのは、 すなわち、アイデンティティの崩壊であり、自我の崩壊であり、 当時の人々は、いつ発狂してもおかしくないほど、 不安定な精神状態に追い込まれた。 そんな混迷の時代だったからこそ、 人類は「科学知識」よりも「カウンセラー」の方を欲した。 人類は「便利な知識」よりも、 心の不安を取り除いてくれる「安定剤」の方を求めたのだ。 そんな時代の背景をうけて、哲学者たちは考え始めるのだった。 「幸せとは何か?」 「この重苦しい不安定な世界のなかで、 生きていくためにはどうすればいいのか?」
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