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札幌白石店
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投稿日:2018/11/30

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【写真においてライフスタジオと他の写真館の違いは何ですか?】

 

私達はこの問いに対してどんな答えを返していけるのでしょう。この問いは写真館のアイデンティティに関わる大切な問いかけだと思っています。だからみんなと対話しながらこれからのライフスタジオの写真の基準を一緒に再構築していきたいと考え久しぶりに写真分析をさせて頂きます。写真の違いは何ですか?という問いに対して私が今答えられるもの。それは【技術の違い】です。ではその技術とは、被写体の魅力を引き出すための【被写体を動かす技術】という言葉で整理してみました。今回はこの技術について具体的な事例を挙げながら整理してきたいと思います。

被写体の魅力を引き出すための被写体を動かす技術


撮影者には自由があります。カメラ自体も固定ではないので自由自在に動きながら撮影することができます。また被写体も同じように自由があります。ライフスタジオの場合はインテリアの完成度が高いので基本的にはどこにいても撮影が行えるように環境は整っています。被写体もカメラマンと同じく自由な条件の中で撮影することができます。だからこそ、どこでどのように撮影するかはやはりカメラマンの主導権が重要になってきます。今回はSakurakoちゃんの写真を例に実際被写体の魅力を引き出すために用いた被写体を動かず技術について話していきます。被写体を動かす技術とは実際何をいうのでしょう。またそれを実際の撮影で実践する場合どのような手順で被写体の魅力を引き出しライフスタジオらしい写真を撮っていけるのでしょうか?今回の撮影の流れを振り返ってみたいと思います。

 

被写体の観察★

撮影の雰囲気づくり

写真のイメージ構築★

写真のイメージに合わせ衣装と背景の適切な選択

写真のイメージに合わせてカメラとレンズと光の設定を準備

全身から撮っていく

上半身を撮っていく

クローズアップを撮っていく

最初の観察と写真のイメージを再構築し更に被写体をより自由に動かし崩していく★

ポーズに工夫を加える

表情や目線の微調整

細かいポーズの指示を行いながら決定的な瞬間を創る★

心込めてシャッターを押す

 

 

このように撮影の流れを振り返り文章化してみると沢山のことをしているように見えますが実際この流れは5分~10分ほどで済ませなければいけません。年齢が低いお子様であればあるほど集中力の関係上よりスピーディーに観察して判断して盛り上げて魅力を引き出していかなければいけません。では次にこの流れの中でもいくつかのポイントがあるのでそれそれを一つ一つ掘り下げていきたいと思います。

被写体の観察


被写体の観察は被写体の魅力を引き出すために一番重要なポイントになります。観察が細かければ細かい程、被写体だけが持っている魅力の本質に近づくことができます。私の場合、観察の手順は頭の先からつま先まで細かくチェックしていきます。そのチェック項目は100個くらいあります。例として、身長・姿勢・身体の柔軟さ・顔立ち全体・目の形・二重か一重か・まつ毛の長さ・瞳の色・鼻の高さ・鼻の形・鼻の大きさ・口の大きさ・唇の厚み・唇の色味・輪郭・耳の形・髪型・髪質・髪色・肌質・首・鎖骨・肩幅・腕の長さ・指の長さ・爪の感じ・胴回り・お尻の形・足の長さ・ふくらはぎの形・膝まわり・足首・全身のバランス・素の表情・私と対話した表情・ご両親と対話している表情・兄妹と接している表情や動作・着てきた洋服の雰囲気などなど様々な観点から被写体を丁寧に見つめていきます。今回の写真の場合、Sakurakoちゃんの魅力とは何かと整理した時に出たポイントが3つありました。

魅力①何かを訴えてくるような瞳(瞳にも表情があるところ)

魅力②アンニュイな表情(真顔が綺麗)

魅力③程よく力の抜けた佇まい(姿勢が悪い訳ではなく程よく身体に力が入っておらず常にリラックスしている)

細かい観察をしながらSakurakoちゃんの魅力のポイントを見つけ出す。この一連の流れが私の考える被写体の観察とその方法です。

写真のイメージ


写真のイメージはどこから来るのでしょう?私はこう考えます。カメラマンの見てきたもの経験してきたもの全てが当てはまると思います。具体的には雑誌・テレビ・ドラマ・映画・本・CM・広告・動画・旅行・趣味・学生生活・家族構成・友達・好きなアイドル・歌・などなど自分が知っていることが全て写真のイメージの土台となります。なのでカメラマンは沢山の教養や文化や世界観を知っていれば知っているほど表現したいイメージが湧きやすいと考えます。今回の写真の場合は①で書いた観察したうえで見えてきたSakurakoちゃんだけが持っている魅力とこの世の中にあるジャンルの中で似たような雰囲気のものを関連付け想像してみた時に、森や自然やナチュラルなテイストではないと思いました。それよりもより現代的で無機質。だけど全く温度がないものでもないもの。そして固まりきっていないイメージ。それが私の中では【ストリート】連想されました。私の中でストリートと言うと原宿や裏原の場所にいるような若者のイメージです。女性モデルで例を挙げると今宿麻美さんや花楓さんのような方々です。また、雑誌で例を挙げるならスマートやストリートやオーリー系の雑誌です。そんな雑誌に出てくる可愛いモデルさんのイメージとSakurakoちゃんの雰囲気が一致したことにより、今回の写真のイメージが決まりました。具体的には上の写真のようなイメージです。このように被写体の魅力をこの世の中の何かと繋げてみるとより自分が表現したいイメージが具体的に湧いてくると考えます。なので私はいつも被写体の観察をしたのちにその魅力とこの世の中の素材をリンクさせ写真のイメージ出しをより現実的なもので行うように意識しています。(余談ですがストリートの始まりはファッションデザイナーやアパレル企業が作り出すファッションではなく街中に集まる若者たちから自然に生み出されたファッションのこと言うそうです。これは時代や文化や音楽や映画などの影響も受け今なお変化や進化を経ています)

最初の観察と写真のイメージを再構築し更に被写体をより自由に動かし崩していく


75CUTの理想的な流れを考えると、全身上半身クローズアップという流れがあったり小物を使ったりしてよりストーリーを引き出すことが理想だと考えます。さらにはその流れの中に決定的な写真。つまりフォトジェニックな写真というものを入れることにより75CUTの全体的な質が向上します。その為に撮影の流れの中でいつものルーティー×(かける)いつもやらない変化を起こさなければ写真の変化も訪れません。Sakurakoちゃんの撮影の場合も下の写真のように最初は安定的な写真の流れをつくりました。(引きの写真。圧縮の全身写真。クローズアップ)

ですが最初にイメージしたものと比較すると何かが不足しているように感じました。それが何かを探し出し新しい条件を投げることがここで言う再構築であり、被写体を決定的に動かすポイントとなります。今回の写真の場合は上の写真の流れ(安定的な流れ)を撮った後に、条件変化のために被写体を膝立ちポーズにしてもらうよう声かけをしました。そしてシャッターを押してもう一度イメージと比較してみるとあともう一息な気がしてきました。でもあともう一息な理由が何かを考えてみると、膝立ちのポーズが少し軽い気印象があるように見えました。最初に掲げたストーリーのイメージはもっとボーイッシュでどっしりとしたものを連想していたので次に条件を変化させようと考えた時、あぐらをかいて座ってみてと声かけをしました。そのポーズを見た瞬間、当初のストーリーのイメージにぴったりでこのポーズだ!!と心の中で思いました。ポーズは良し、表情もそのままの無表情がハマっていたのであとは写真の構図がこれでいいかを確認しました。これも写真のイメージと今撮っている写真を比べて再構築が必要かどうかを見極めます。その時は下の右側の写真のように被写体を右に寄せて左側に余白をつくる構図にしました。ですが、余白と被写体の重さのバランスがうまく均衡が保たれていない感じがしました。これは再構築が必要だと考え違う構図を練りました。

先ほど話したように、ストリートのイメージがボーイッシュで重さがある雰囲気だったので横写真だと余白と被写体の関係を更に作らないといけないので、その構図自体は問題がないのですが、今回のポーズの様な被写体のどっしりとしたあぐらの場合はインパクトが欠けてしまうと感じました。なんで構図を縦にすることにしました。そうすると被写体の重さが下にどっしりときてそれだけで被写体の存在感が目立つ印象を視覚的に与えてくれるようになりました。

 

 

細かいポーズの指示を行いながら決定的な瞬間を創る


③番で話した内容は被写体の魅了を生み出す環境と条件を生み出すために必要な課程です。ここではその写真に対して更なる決定的完成度を付け加えるための決定的な瞬間を作っていきます。今回の場合は下の写真の青い丸印の部分です。つまり、手首や手先の細かいディティールです。上の写真を見てみると飴を持っている右手の手首が綺麗じゃないという違和感を感じました。その違和感が決定的瞬間を作るヒントになりました。つまり、全身を細かく観察することを最終的にもう一度行うことによりフォトジェニックとしての最終的なひと押しとなる決定的瞬間に近づくことができる可能性を高めることができます。下の写真の青い丸印の3つは力が入り過ぎないしなやかな所作を感じることができます。また飴の食べ方も手で持つよりも口でくわえるだけの食べ方の方がよりストリートのイメージに近いと考え細かいポーズの変更を行いました。そして、最後に心を込めてシャッターを押しました。

 

被写体を動かす技術のまとめ


今までの流れのように、被写体の観察→写真のイメージ作り→被写体を自由に何度も動かす→再度観察→決定鍉瞬間を作る。このような段階的な流れの最初から最後までを被写体を動かす力だと考えます。なので一言でそれを説明するのは難しく、その段階的な変化をカメラマン自ら思考し実践すること。その技術がライフスタジオが誇る武器であり写真の違いを生み出す決定的な技術になると考えます。

 

 

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