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札幌白石店
photogenic64
投稿日:2014/3/28
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人に、写真に、自分自身にもっと深く入っていきたい・・・。
私の中で家族写真に対する一つのルールがあります。
それは、自然なポーズのように見えて全てが計算されていることです。
この計算されているという言葉が、人を操るという意味ではなく自然な動きになるように心を開いていくということです。そのように人を動かす技術を私達はずっと追い求めているのだと思います。
家族写真を撮る上で、私達は被写体に対して手取り足取りポーズを付けていくと、時として被写体を緊張させてしまいます。なぜならば、一から作るポーズは人工的な匂いがするからです。そうではなく、まず被写体に対して何も指定せずに座ってもらったり、手を繋いでもらったり、目線を私達に向けてもらうのです。ここでポイントなのが真似をしてもらうということです。先ほど、何も指定せずにと言いましたが、まったく何もしないということではなくお客様にイメージを伝えることが重要なのです。それが、真似をしてもらうという行為に繋がってくるのです。イメージを伝えるうえでは、私達も人の美しい身体のライン、角度や人それぞれのコンプレックスだと思われる面をより綺麗に表現しなくてはいけません。そのためにまず自らが美しさを追求するということです。人の美しさに集中していくと様々な現象がみえてきますが、あくまでも人の美しさの本質に近づいていかなければいけません。その本質により迫れる方法が、人の心を開いていくという行為なのではないでしょうか?だからこそ、被写体の目を見て、対話をしていきながら、被写体がどのような状況なのかを観察していくのです。私が思うに、人を理解するうえで、人の情報は目に見えないことの方が多いです。なぜならば、被写体は言えないからです。自分のことを話すことはとても恥かしいことですし、初対面で自分のことをよく知ってほしいというお客様はそう多くはないと思います。だからこそ、私達から向き合っていかなければなりません。私達がどのような人で、どのような想いで人に対していて、どのようなものを求めているのか・・・。結局そのやりとりの中で、お互いの関係性が作られ、私達の求める美しい自然な姿を引き出せることができるのです。
この家族との出会いは、2010年からです。今回で4回目の撮影になります。偶然ではなく必然であった代々木店での再会。いつもは越谷店勤務なので特別なことが無い限り代々木店勤務ではないのですが、今回また出会えることができたのです。パパさんママさんとも懐かしい会話をしていきながら、まずはママさんのソロを撮影しました。次にパパさんのソロを撮影しました。そしてパパさんとママさんの2ショットを撮影していきました。そんな様子を私の横でニコニコしながら見ている兄弟の姿はとても愛くるしいものでした。そんな流れの中で、家族が一人増え、また一人増え、四人家族になったときにこの写真は生まれました。一人一人がみんなと触れ合って繋がっています。パパはママを左手で抱き寄せ、右手では弟を支えています。その弟も両足を揃えて全体重をパパに預け、右手でパパの小指を繋いで甘えています。ママは、重心をパパに寄せながらも左手でお兄ちゃんを支えています。お兄ちゃんは、右手左手でママを支え重心を少し前に持ってきてくれています。この効果で、家族全員の顔の位置がほぼ同じラインに揃います。そうする事によって家族の顔の位置が安定し更には全体的な一体感まで表現してくれます。指の一本一本が家族の触れ合いであり、自然なもとまりを演出します。そして、もっも重要なのが家族全員が私達に向かって微笑んでくれていることです。この瞬間ほど有難いことはありません。この出来上がった写真をみて、家族が同じものを見ている印象を感じることによってより見たときの感動を確実なものに出来るからです。だからといって感動させたい写真を撮りたいということではなく、『感じてほしい』という表現のほうが近い気がします。
共に感じ、共に刻んでいく家族写真。これからも、私はその瞬間に出会っていきたいと思います。
Photo by Ouchi akane codi by Takano asana in yoyogi
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