オムツ写真、大体１歳くらいの赤ちゃんが対象である此の撮影、ある日突然お兄ちゃんが加わってきた。

 

もともと下の子のソロ写真として、お兄ちゃんが着替えている間の撮影だったが、撮影中ふと背中に視線を感じ振り返ると、其処にとてもキラキラした期待に満ちたお兄ちゃんの瞳があった。此れは、声をかけないでいる必要性は無いと咄嗟に、私自身の中で叱咤の声があがった。お兄ちゃんに声をかけると、待ってましたと言わんばかりに、颯爽と狭い猫足のバスタブに飛び込んだ。そして私の指示も無しに弟をギュウっと抱きしめたでは無いか。

 

抱きしめられた弟の顔は、ソロの写真の時とはまた違った笑顔を見せ、そんな二人を見ていた両親の顔も、笑いながらしかし父と母の慈愛に満ちた顔をしていた。もちろん私もファインダーを覗きつつ、心の内側がジワッと暖められるような心地になった。此れは、兄弟の笑顔に撮影空間が満たされた１枚である。