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コーディネーター

投稿日:2023/3/7     更新日:2023/3/7

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楽しげな声が聞こえてきそうな一枚。彼女のこの時の感情の昂りが、撮影が終わってしばらく経った今もよく伝わってくる。

そして私にとってこの一枚は、コーディネーターの痕跡が色濃く記録された一枚でもある。

 


 

写真はシャッターを押せば簡単に撮れてしまうもので、何も考えず無理やり目の前の光景を切り取ることもできる。

でもそうやって撮った写真の多くは雑味が多く、伝えたいことが曖昧になりがちだ。一方、良い写真はそこに撮影者の痕跡が残されるものだと思っている。

このとき一緒に撮影に入ったコーディネーターは丸ちゃん(丸山さん)だった。丸ちゃんはどれだけ歴を重ねてもいつも全力投球の人で、私に初心を思い出させてくれる素晴らしい同僚であり、7つ年下だけど尊敬できる人だ。

そんな丸ちゃんとペアを組んだ撮影で、このご家族、そしてこの子に出会った。思い出せば最初は緊張からのスタートだった。でも一緒に過ごしていく内にだんだんとその子の素が現れてきて、この写真を撮る頃には目を輝かせながら楽しく遊んでくれていた。

 

そしてこの写真はひとつの提案から始まった。

「ブロックの塔を足で蹴ってみよう!」という丸ちゃんのひと声。そしてそれに応じる彼女。

私は「ちょっと待って〜!」と言いながら必死の思いで地べたにへばりつき、シャッタースピードをぐるりと上げる。

準備はOK!そして破壊までのカウントダウン。あらかじめ決めておいたフレーミングでその時を待つ。

蹴る前の気合いの入った一声が合図となってシャッターを押す手が反応する。撮りながら思わず声が出てしまった。

丸ちゃんはこのことを予想していただろうか。聞けば「そんなことはない」と謙遜するのは目に見えている。

でも、彼女の持ち込み衣装から受けたイメージとそれに合わせた小物の準備や設置、子どもとの触れ合いの中で現れた本当に楽しそうな子どもの姿、そしてあの流れの中でかけたひと声。

そのどれもがこの1枚に繋がっているように感じた。だからこそ撮れた時の喜びはひとしおだったし、その気持ちを共有したいと思ってこの記録を残した。

コーディネーターと共に創り上げる写真。私1人では辿りつけない写真。2人で撮影に入る醍醐味を感じた。ありがとう!

 

 

lifestudio omiya

photo:ueda

coordi:Chika Maruyama

 

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