七五三撮影が終わり、2シーン目のドレス撮影をしている時のこと。

 

手で作ってもらった蝶々が羽ばたき柱にとまる。

ふっと気が抜けた瞬間からずっと笑顔だった彼女の表情が変わった。

 

とても強く真っ直ぐな瞳。

直視するのがドキッとしてしまうほどの彼女の表情。

 

直感的に今を残したいと思った。

 

でもちょうどその場所は正面を向くと顔に光が届かず、逆光で撮るにも光が弱い場所で、いつもだったら撮らないけど、この表情は今ここでしか撮れない。

 

シャッタースピードは1/50秒。

 

息を止めながらファインダー越しに彼女の瞳と私の目が合う。

 

私のこう撮らなきゃいけないという固定概念を取り払ってもらえた瞬間だった。

 

また、室内撮影でのカメラの標準設定を超えて、今絶対に撮りたいと思った瞬間だった。

 

彼女の強さを感じる目線をした大人っぽい表情と、7歳のむちっとした手のギャップが、これから少しずつ大きくなり、やがて大人になっていくあなたの未来を想像させる。

 

感じる写真とはシャッターをきる前にカメラマンがある程度のイメージして場面を切りとるが、見る人、見るタイミングによってもイメージのふくらみ方やストーリーが違ってくる。

それだけじゃなく、撮影したカメラマン自身も元々持っていたイメージの枠を越えて、“見る”ではなく“眺める”ようになり、後からさらに写真から滲み出るものをじわじわとかみしめ想像する事のできる特別なものだと思う。

 

 

今写真をながめるとこう思う。

 

将来あなたがこの時の私(彼女)と写真を通して向き合った時、何を想い感じてくれるのだろう。

 

 

あなたの一日を少しでも豊かにできる

そんな写真になってたらいいな

なんて思ってます。

 

 

Best wishes for your bright future.