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いつかの自分を重ねて

投稿日:2023/2/18     更新日:2023/2/18

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全く知らない場所の映像なのに何故か懐かしくなったり、少し切なくなったり・・・。

どこか心を揺さぶられるような、心の琴線に触れるような体験をしたとき、心がとても穏やかになる。

よく香りが記憶を呼び起こすというが、五感で感じることと記憶は深いところで繋がっているのだろう。

 

過ぎ去っていくもの、忘れてしまったこと、気づけばあっという間に歳を取っていく。

そうやって大人になって、色んなことを考えるようになって、今は少し窮屈に感じることもある。

 

最近、宇多田ヒカルの「真夏の通り雨」のPVを見た。

どこか心をえぐられるような、でもそれでいてとても懐かしいような、妙な気持ちになった。

歌詞やメロディーはもちろんだが、PVの映像がとても情緒溢れるもので癒された。

 

生きている限り、実に色んな出会いがあり別れがある。でもそんなことを考える余裕はなく、

私は今日もせかせかと何かに追われて生きている。そしてそれを当たり前だとも思っている。

 

しかしこの仕事をしていると今という瞬間に集中せざるを得なくなる。

なぜなら写真とは瞬間を残すものだからだ。

 

短い撮影で知りえる被写体の情報などたかが知れているかもしれない。

だからそのほとんどが私の勝手な妄想や想像になってしまうのかもしれない。

でも、それでもその瞬間に何かを見出して、そして感じたことを写真にしたい。

 

笑顔の写真もカメラを見ている写真も大切だ。私はそれを当たり前に撮影している。

でもふとした瞬間に、それとはまた違った何かに遭遇することがある。

それが私の過去の記憶に呼び起こされたものなのか何なのかははっきりしないが、

そこには確かに懐かしさややさしさを感じることができる。

 

私たちの撮る85カットは画像であり映像でもある。

そこで過ごしたひと時の記録と言えば、ただそれだけのようにも感じるが、

その背景には様々な出来事の積み重ねやその結果としての関係性が存在している。

1カットの写真と85カットのストーリー。

 

時に写真を見る人の記憶の助けも借りながら、

人の感情を揺れ動かす写真を撮れたらなと思う。

 

Lifestudio Omiya

photo : ueda

coordi:tanaka

 

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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