Photogenic
大宮店
タラちゃん。
投稿日:2019/11/5
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OMIYA Photo
Photo by Pon
Coordinator by Chifumi Kozu
Written by Pon
僕は被写体と向き合えるクローズアップの写真が好きだなとつくづく思う。
被写体そのものの要素を存分に画面いっぱいに切り取って表現できるクローズアップ写真は、
写真ならではの醍醐味の一つだと思えるからだろうか。
この写真の男の子の名前はタラちゃんではないのですが、
タラちゃんヘアでした。
綺麗に切り揃えられた前髪からサイドにかけてのデザインされたラインは、
サラサラなくせのないしなやかな髪を生かし、
ぱっちりなお目目の彼とマッチした髪型でした。
彼を初めて見たときに髪型から受ける印象はとても強く、
可愛い顔の彼をより一層引き立たせていました。
親御さんに伺ったところ、美容室に切りに行って今回この髪型をリピートして2回目とのこと。
きっと撮影があるから綺麗にカットしてきたのかなと思うと親御さんの愛情も伺えます。
また、この髪型を彼に提案したかはわかりませんが上手にデザイン・カットした美容師さん。
素晴らしい仕事されているなあなんて思ったりします。
前髪が綺麗に切り揃えられている子には帽子が似合うので、
コーディネーターに提案して被せてもらいました。
彼は1歳なのですが、大抵の1歳の子が頭に帽子を被せられればすぐに違和感を感じてそれを取り投げ捨てます。
彼は帽子を取るまでには至らずとも、違和感を感じたのかそっと手を帽子に伸ばした。
その時がカメラマンにとってのシャッターチャンスです。
クローズアップで写真を撮るときに被写体の上半身部分までのクローズアップを撮りたければ、
その被写体の手が上半身のフレーミングの中に収まるように配置する必要があります。
この写真では左手は帽子に添えられて、
右手はおもちゃの苺を持っているため上半身のクローズアップには最適な瞬間が訪れていました。
そして彼の視線がカメラのレンズと正面から合っています。
この時被写体とカメラマンとの関係性が成り立っているようで、僕は撮っている実感が湧きます。
この実感の時は、案外静かに訪れすぐに去ってしまうことが多いです。
しかし、その瞬間に期待してカメラを構える時僕は高揚しています。
逃したくないその瞬間と出会えた時、僕のカメラマンとしての仕事に喜びがあるからです。
彼の人生の一部を切り取ることと、それを僕が切り取ること。
人生の写真館で写真を極めるということ。
それは、長い人生の中でシャッターを切るほんの一瞬を静かに見つめるということであり、
被写体とどれだけ自分が向き合えたのかを証明しているように思います。
タラちゃん。
貴重な瞬間をありがとう。
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