「七五三」

日本で室町時代から行われている、子どもの健やかな成長を祝う行事。
７歳では、大人と同じ幅の広い帯を結び始める儀として残っている。



和装は日本の伝統的な衣装であり、構成している小物にはそれぞれ意味がある。


縁起のいい繊細な絵柄、
丁寧に形作られた帯、
華やかな髪飾り、
末広がりで縁起物の扇子
化粧道具が入っている筥迫




日本に生まれ、日本で七五三の記念として着物を着る意味をしっかりと一枚の写真に残したいと思った。華麗に着飾って、大人に近づいた彼女のすべてを、クローズアップに詰め込むことにした。





写真は引き算といわれている。出来るだけ一番伝えたい主題を際立たせるために、不必要な部分は構図から省かなくてはならない。何かフレームから省けるものはないかと考えた時、彼女の身に付けている小物たちには大切な意味があり、何一つ省くことは出来なかった。となると、モノが多い。ごちゃごちゃしないようにフレーム内を整理する。一枚のフレームの中に和装の美しさのすべてを収める為には、バランスが大切だと感じた。手の位置、扇子、髪飾り、帯で黄金比率に添わせるようにフレーム内を整理した。目に入るキャッチと人物にあたる温かい光、手の仕草で和装にあったおしとやかさが現れるように注意をはらった。



大切な記念日だからこそ、すべてを詰め込んだ欲張りクローズアップ写真が完成した。





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