この世に生を受けてから１年。

まだ泣くことでしか自分の感情を表現できなかった赤ちゃんが、

親しい人からのほほえみに、ほほえみ返すことを覚え、

自分の体を自由に動かせるようになり、

快、不快だけだった感情がより複雑になっていく。

 

生命の誕生の奇跡。

赤ちゃんの成長は、その奇跡の連続。

そんな奇跡の主人公である赤ちゃんが周囲に与える力は計り知れない。

 

 

1才になったばかりの女の子。

表情、仕草、体の全てを使って感情を表現する。

そんな彼女の１つ１つの仕草、表情が、彼女を取り囲む人たちを魅了する。

 

彼女が持つ大きな力。

周囲の空気を、人を、心を、

あたたかく、そして笑顔でいっぱいにする。

 

彼女の１つ１つの仕草に魅了されながら、撮影は進んでいく。

何かを投げかければ、彼女の言葉として全身で返ってくる。

そんな空気感がとても愛しくて…。

 

 

彼女の欧米風？な仕草が出たとき、コーディとして撮影に入りながら「撮ってほしい」と思った瞬間だった。

そしてその瞬間、カメラマンが両親に同じ仕草をするように声かけた。

残された写真を見て、嬉しかった。

 

 

彼女の今しかない仕草。

それによって周囲の人たちが笑顔になるということ。

そして、周囲の人たちを幸せにしていたということ。

撮影全体がそんな空気感でいっぱいだった。

そんな空気感が、この1枚の家族写真に凝縮されているように思えた。

 

 

今しかない仕草、表情と一緒に。

 

たくさんの愛を受け、

そしてたくさんの愛を与えていたということ。

 

そんな“今”だけの瞬間を形として残す。

それもまた、家族写真のひとつの形。



Photo　Su　Codi　Chifumi