この日は晴天。

ふすまを開けた瞬間、窓から差し込む斜光。

光が作り出す様々な色が散らばる。

正座をした彼の後ろから差し込む光を最大限に引き込む。

切り離されているはずの外の庭から畳を繋ぐ光。

シャッターを切った。

イメージはまだまだあやふやだったが、一瞬頭の中に描いたものに似ていた。

それが自分にシャッターを切らせた。

もし、そのイメージが頭に生まれなかったら

この写真はなかったのかもしれない。

 

人はイメージを具現化することで自分の世界を作っている。

見たいもの、作りたいもの、理想としているものが何かによって、

世界は変わって見える。

 

 

世界中が自分を否定するもののように感じていたとき、

「いいんだよ」

そう語りかけてくれた存在はまるで暗闇に差し込む一筋の光のようだった。

その一言が自分をどれだけ救ってくれたか。

私はどんなにつらく苦しい瞬間があったとしても、

すべてには光が降り注ぐということを知っている。

だから、光が好きだ。

全てを包み込み、やさしく輝く。

ただあるということ。

それを認められるなら、これから怖いものはないかも知れない。

逆らう事なく、受け容れること。

光を通して学ぶことはまだまだありそうだ。

photo by kazu & su