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京都桂店
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写真分析37

投稿日:2012/10/12

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構成要素
 
光:
蛍光灯のみ。
この写真の二つの核心のひとつが光だと思う。
ライトが右から当たっているが、後ろに影を作るために真横ではなく少し
被写体の右半身に強く当たるように配置している。
そうすることで後ろの壁に影ができ、イギリスの路地のような印象を与えている。
 
また、高さ的に光の届いていない上の右の隅が光量落ちしているのもインテリアが何もない
この写真においてはポイントとなっている。
もし光量落ちがなく全面奇麗に明るかったらシックな雰囲気が少なくなり
イギリスの路地という感覚が薄れてしまったかもしれない。
 
また、写真右に被写体の左半身に光が当たるように点灯している光もあり、
それの影響も少しあって被写体の鼻や頬に光の輪郭ができている。
もしこの光がなく輪郭ができていなかったら、そもそも右半身に光が当たるように
しているのでベタッとした印象になり、被写体への集中が減ったかもしれない。
 
フレーミング、ポージング:
フレーミングはもうひとつの核心部分といえる。
なぜ右下に配置されているのか?
足を切っているのはなぜなのか?
なぜこの位置で切っているのか?
という疑問が単純に出てくる。
 
まず右に寄っている理由としては影の印象を与えるためと考える。
影をひとつのポイントとして考えるならば被写体の後ろに空間を与えるのが正解だと思う。
 
また、物理的な理由として写真に写るのを被写体と壁だけにしようとしている。
もし全身を入れることにすると質の違う床などが入ってきて印象が変わってしまう。
そういう意味もあって全身ではなくなっている。
 
ではこの位置で切っているのはなぜか?
それは写真の重心と関係がある。
 
被写体は手に持っているものを見ている、つまりうつむいている。
被写体が下を向くと重心が下に流れる。
もしその状態でフレーミングを下げて全身をいれていたら、うつむいている顔の部分が
写真の真ん中あたりに配置され、下に向いている重心が真ん中にできて安定感がなくなる。
つまり重心の在処を半分よりも下に配置することで写真全体のバランスがよくなり、不安定感
が軽減される。
もし床を入れないという理由だけで下半身を切っていたら、その切る位置によってはアンバランス感を
取り除くことができなかったかもしれない。
また、安定感を出せる中でも切る位置を選ぶことはできた。
もう少し膝上くらいでもよかったし、上半身だけ映すこともできた。
しかしなぜこの場所で切ったのか?
 
それは間接で切るなというの写真の常識を実践しただけだと思う。
人は切ってもいい場所があり、そこ以外で切ると切られたような感覚になる写真になってしまう。
上記に書いたすべての事柄を実施したうえで、最後は基本となることを忘れずに実践したことで
表現と基本的な部分をうまく組み合わせて作り出している。
 
photo by volvo

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