京都桂店の写真。

新しい店舗ができあがると、最も気になるのはそのスタジオがどのような写真を残していくかという点だ。そしてたいていの場合、その注目はどちらかというとインテリアなどの背景に向けられることが多い。なぜなら背景こそが新しいスタジオのみせどころであるからだ。もちろんそこにもこれでもかというほどに力を入れてはきた。しかし、写真というのは背景が写っている写真がすべてではない。すべての写真をもってして初めて「そのスタジオの写真」といえる。そういう意味ではこうしたクローズアップ写真は、そのスタジオのイメージを決定づけるひとつの要因となりうる。テーマは「マクロ」だ。その昔、何かの写真分析にこのように書いた。「写真の距離は心の距離」カメラの最短撮影距離という物理的な限界に達するためには心を近づけなければならないという意味だが、その最短撮影距離という物理的な境界をも超えていくためにはマクロの考え方が必要になる。もう、瞳にレンズがくっつくほどに近づくことができる。これが京都桂店のひとつのアイデンティティになるはずだ。