京都桂店写真～color＆tile～

 

与えられた環境で写真を生み出す事と、一つの写真を目指して環境から作っていく事は使う頭が異なる。

前者は、誰かが組み立てた環境の上に自分が存在し写真を撮る。いわば「綺麗な写真を目指す」ことさえすれば形になるのだ。誰かが作ったその環境が与えてくれるイメージを受け取ったカメラマンは、自分のインスピレーションと混ざりながら写真を生み出す。

一方で後者は完全に０からスタートする。誰の知識もイメージも助けれはくれない。どんな写真を撮るのかを考えながら環境を作成していくことになる。とはいえ必ずしも思い通りには作れないし、作ったとしても思い通りの写真になるかどうかはわからない。

すべてが未定ですべてぬかるみの上を歩いているような感じで進んでいく。だからこの写真が撮られるまではずっと不安だった。もしこの写真を撮る事ができなければ、この背景は失敗だった。作ったばかりで失敗の烙印を押したくはない。

ぬかるみでも進んでいこうとすると偶然というのは良い方向に転ぶものだというのは子供のころから知っている。

この写真の隅から隅までを計画通りにやったのかと言われると偶然が4割くらい入っている。正直こんな素晴らしい光は想定外だった(笑)

あとはこの場所に、私以外のカメラマンの素晴らしいインスピレーションが混ざっていく事を期待する。