写真を上達させるためには

大人の撮影を通らないという選択肢は無い

by Lee社長

 

 

２０１１年。

私が入社した頃からずっと言われていることです。

正確には、私が入社するよりももっと前から言われていたはずです。

 

私たちが普段の仕事としてとり行っているのは、99.9％が子供たちの撮影ですが、実は子供たちの撮影というのはポートレート撮影の中ではかなり特徴的なジャンルです。子供たちとの撮影は笑顔が中心です。もちろん私たち撮影者の体力と引き換えではありますが(笑)子供たちに寄り添い、心を通わせることでよい写真へとつながります。つまり、写真の技術とは別の部分で能力を必要とします。ある意味では最も難しい撮影ジャンルであるということもできますが、こと写真の技術面のみで語ろうとすると話すことが少なくなるのも子供写真の特徴です。

また、子供たちは私たちの想像を超える生命力を発揮してきてくれます。「１」の事を伝えると「５」や「１０」の事が返ってきます。カメラマンは、それを逃さない技術を必要としますが、それさえ押さえることができればカメラマンの意図以上の写真が生まれることも多く、子供たちの生命力に驚かされるばかりで撮影が終わることも多々あります。

では、大人を撮影するときはどうでしょうか？大人は勝手には動きません。こちらが「１」を伝えればしっかりと「１」のことをしてくれます。人によってはぎこちなくなり「0.5」になってしまうこともあるでしょう。ということは、自然と撮影者たちの手数は多く必要とされます。

 

つまり、子供を撮るときは「１」を伝えれば「５」や「１０」の写真が撮れるのに対し、大人は「１」を撮るためにカメラマンが「５」や「１０」を伝えなければならないのです。

ライフスタジオでは７５枚の写真を提供しています。仮に子供を撮る際に「１」を伝えれば「５」の写真が撮れるのならば、７５枚を作るのにカメラマンは「１５」のイメージさえもっていれば原本を作ることができるのですが、大人を撮ろうとすれば「１」を撮るために「５」必要となり、７５枚つくるのに「375」のイメージを持たなくてはいけないのです。

 

では、具体的にこの数字が何を意味するのか説明してみます。

 

 

私の娘です(笑)

７歳の七五三ですが、恥ずかしいのもあってか全然いうことをききませんでした苦

この写真を撮るために私から彼女にした指示は「足をくっつけてかばんを前に持つ」これだけです。数字でいうなら「２」です。ところが、彼女は子供らしさを発揮して足の指をもじもじし、ちょっと斜めになりS字を作り、勝手に笑い、人間らしいしぐさを追加したのです。数字でいうならば「５」です。この一枚だけをとってみてもこちらの指示と実際のアクションの差は「３」もあり、その分カメラマンは持ってる技術以上の写真を獲得することができます。子供が小さければ小さいほどこの差は大きくなります。

 

こちらは先日撮影させていただいた成人式のモデル撮影の写真になります。こちらのモデルさんはとてもとてもポージングが上手でしたので、正直かなり楽に撮影の方はさせていただいたのですが、それでも子供たちの撮影と比べると全く手数は変わってきます。指の形から、首の角度、背景とのバランス、髪飾りの見え方、袖の直し、椅子の微調整など隅々までカメラマンが構築しなければいけません。なぜなら、子供たちのように勝手に画は作られないからです。これが「１」を作るのに「５」必要という意味です。

Lee社長の言葉に戻りますが、写真が上達するために大人の撮影は避けて通れないというのは、このように「ラッキーのないカメラマンの持ってる能力通りの写真になるのが大人の撮影」であるという言葉の意味です。

 

大人の撮影はカメラマンの実力がそのまま写真に出ます。疲れますよ～。しびれますよ～。でも、だからこそもっと上手くなるし子供撮影とはまた違った経験を得ることができますし、またをそれを子供撮影に活かすこともできます。成人式撮影を始める理由はいろいろとあるかもしれませんが、私の中で一貫しているのは、撮影者の向上。これに尽きます。2013年にハーフ成人式を始めた時も、2017年にアナザーミーを始めた時も、そして今回の成人式撮影も・・・。

だから、私たちは「成人式写真」に集中したいと思います。