3階の部屋は天気が良いと強い光が入ります。
1階のメインと条件が違うのは、自然光が入るのが一箇所しかないということ。その窓がそこまで大きくないということ。
光が部屋全体にまわらないというこの空間を生かすと、陰影が強い写真が撮れます。

この時は、印象的な写真を撮りたかったので、1番光が強く当たっている場所を選び、そこに座ってもらいました。

ここで出た問題点は、露出の設定。
彼女は白い衣装を着ていたので、その白が消えないようくらいの明るさで。しかし、女の子なので顔に陰影が入りすぎてしまうのもなんか違うなと考えながら調節していきました。

そうこうしているうちに「まだ〜？」と言わんばかりの表情でこちらを見る彼女。一見大人っぽい表情に見えますが、体育座りというポージングも相まってその表情の奥には子どもらしさが垣間見えます。

被写体である彼女は、兄と弟がいる三人兄弟ですが今日は彼女の七五三の記念ということもあり、主役でした。
お着物撮影もルンルンで撮り終え、兄弟写真は1歳の弟君に翻弄されながらも賑やかに撮影できました。
そしてこの3シーン目の撮影で彼女の「写真を撮られる楽しさ」と「早くお兄ちゃんと弟くんの所に行きたい」という２つの気持ちが仕草や表情から感じとれます。

そんな感情が入り交じったような表情が、陰影のあるこの雰囲気にぴったりだと思いました。
逆にこの陰影があることによって、周りに物が多くても、この何か言いたげな目や表情、そして靴を触る手元など、彼女自身に目がいくのだと考えられます。

このように被写体とその環境、そしてカメラの設定など、様々な要素の良さを重ね合わせながら、相乗効果となる写真を常に意識していきたいです。

Coordinator by Manami
photo by Naomi