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世界から猫が消えたなら:川村元気

投稿日:2013/7/2

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世界から猫が消えたなら

川村元気

 

世界からもし猫が消えたとしたら。

この世界はどう変化し、僕の人生はどう変わるのだろうか。

世界から、もし僕が突然消えたとしたら。

この世界は何も変わらずに、いつもと同じような明日を迎えるのだろうか。

 

 

物語の主人公は余命あとわずかの30歳郵便配達員。

唐突に命の期限を告げられた主人公は人生に絶望していたが、突然目の前に自分そっくりの「悪魔」が表れた。

自分の顔をした悪魔は主人公にこう告げる・

「実は・・・明日あなたは死にます。」

「あなたこのまま死にたいですか?」

「魔法とでもいいますか。あなたの寿命を延ばす事が出来るんです。」

「ただ1つ条件があります。何かを得る為には、何かを失わなくてはならない。」

「この世界から1つだけ何かを消す。その代わりにあなたは1日寿命を得ることが出来るんです。」

 

この世界から1つだけ何かを消したら自分の寿命が延びる。

等価交換の原則である。

何かを得るためには何かを失わなくてはならない。

けど、消すものは自分では選べない。

悪魔が指定したモノを消すことが条件。

 

悪魔が最初に指定したのは電話だった。

電話を消せば寿命が1日延びる。

消すと決まったモノは最後に1回だけ使う事が許させる。

主人公は消す前に昔の彼女に電話をした。

映画が大好きだった彼女に。

 

 

悪魔は次に映画を消す事にした。

主人公の唯一の趣味だった映画。

主人公は学生時代からの友人のお店で最後の映画を借りる事にした。

ふと母親の言葉を思い出した。

「ほとんどの大切なことは、失われた後に気付くものよ」

映画を失う事が心底悲しく、心底切なかった。

 

悪魔は次に時計を指定した。

真っ先に思い浮かんだのは父親の姿。

父親は小さな時計店を営んでいた。

そんな時計が無くなる。

 

悪魔が次に選んだのは猫だった。

猫を世界から消すのだ。

一緒に暮らしてきた猫を。大事な猫を。

 

 

自分が生きる為に何かを消さなければならないなんて自己満足もいいところだ。

でも大切な事が、もっと大切だって気がつくのはいつだって失ってから。

人間は過ちを犯してからでなけらば気づけない事が多い。

ヘタをしたら間違いをしたって気がつかない事だってある。

大切なものを大切だって思える人になりたい。

人間いつ死ぬかわからなくて、後悔のない人生をっていうけど、どれだけの人が自分のしたい事をして生きているのだろうか。

好きなことだけして生きてゆけるほど現実は甘くないけど、ふとした時、大切なことを大切だって忘れてしまいそうになる事がある。

私の人生なんて悔いだらけだ。

でもそんな中で今を出来るだけ後悔ないように一生懸命生きること。

悔いは後悔じゃなくて、次への希望だって思えるように人生を大切にしたい

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