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越谷店
lumière
投稿日:2022/1/31
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Photo by Manami
私は絵を描く事が好きでした。
イラストを描く仕事につけたらいいなと思っていた事もありましたが最近は色っな事を理由にしてしまいめっきり書けていません。
絵を描く機会は減ってしまいましたが、絵を見る事は出来るので、アニメや漫画のイラストはもちろんですが、絵画をよく見にいきます。
この何年かで一番感動したのは2020年のロンドン・ナショナル・ギャラリー展で見る事ができた、フィンセント・ファンゴッホの«ひまわり»でした。
印象派と呼ばれる方の絵画を色々見ていましたが、ひまわりの絵の目の前に立ったとき、感じた事のない迫力と美しさがあり、大した知識もないので恥ずかしいですが、はじめて絵を見て泣いてしまいました。
絵の美しさももちろん、このひまわりが出来上がるまでのゴッホの歴史を少なからず知っていたからかもしれません。
このひまわりが書かれたのは1888年、ゴッホは生前は名声を浴びる事なく亡くなってしまいましたが、132年後の今、彼の絵画がこうやって長い時間が経っても大切に受け継がれている事に大変感動しました。
前置きが少し長くなってしまいましたが、
私は写真と絵はとても似ていると思います。
写真も絵も目の前の画面の中で物語があり、
画面の中では自由に色々ないろいろな表現方法があります。
写真というものには自分の感情や心が少なからず反映されると思っています。
もしかしたら、写真は1枚の事実だけがそこにあり、大げさに言ったらそこに自分の感情があっても無くても良い写真は撮影できると言う人もいるかもしれません。
絵と写真は1枚にかける時間がまったく違いますし、その1枚に全てをかける絵と違い、写真はカメラという機械がその場でその瞬間を映し出してくれます。
しかし、その場で写しだせるから気持ちが入らないなんて事は無いと思います。
写真を撮影している人たちはみんなその1枚を撮る為にいろんな事を考え心を込めています。
だからこそ、同じ写真は誰も撮影する事が出来ないのだと思います。
被写体の彼女と初めて出会ったのは2018年彼女が9歳の時。
その時から欠かさず1年に1回越谷店に撮影に来てくれていて、そんな彼女は今年で13歳になりました。
彼女は長年バレエをしていて、とてもしっかりとした体幹をしています。
姿勢も良くて立ち姿はすらりとしていて、カメラの前に立つ彼女に自信を感じさせてくれます。
この写真を撮影した時間は夕方の日が落ちる直前でした。
撮影したインテリアのお部屋は夕方とてもきれいな光が差し込み、
この時、窓枠の影がくっきりと壁に表れていました。
ドレスを着ながらバレエのポージングの撮影をしていたとき、光がさす壁の当たりに鏡を置くと、光が反射して優しいフレアがカメラの中に入りました。
前ボケを置き壁べたに被写体がいても奥行を感じられ、
濃い壁には被写体の影、
鏡からのフレア、
バレエの軽快さを感じる白いドレスがより軽く見える様な柔らかい光。
13歳という年齢でドレスを着ても子供っぽくならないように
彼女が今の自分を一番表現できるようなそんな雰囲気を感じるようにしたいと思ってシャッターをきりました。
彼女と出会って4年、実は彼女のママさんと私は去年の撮影後からお友達になりました。(笑)
大人になって友達が出来る事なんてもう無いと思っていたのに、彼女のママのおかげで私はこの1年なんとか生き延びることができました!
私にとっても彼女は娘のような、妹のような。
彼女が20歳になるまで撮影する事が私の使命なんだと思っています。
写真を撮るって、カメラがあればだれでもできるのかもしれません。
でも、私たちが写真を撮る仕事をしている上で違う事は1つの写真の中で短い時間の中でも、
画面の中にいる被写体がどうすればかわいく、かっこよく、素敵に、スマートに、スタイリッシュに、美しく、綺麗になどなどなど・・・
被写体を見ながらそんないろんな構成要素を頭の中で駆け巡らせて撮影している事だと思います。
だからどうやっても心がついてきます。
写真の中には気持ちがあり、それは絶対写真に反映されてゆくから私たちは考える事をやめてはならないのだと思います。
辛くて投げ出したくなったら少し休んで、写真を見たときの幸せな時間をまた大切に進みたいです。
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