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越谷店
光の中で
投稿日:2019/3/21
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coordinator by Nasu
photo by Manami
写真を撮影している人であれば誰もが考え、目指す「自然な写真」
でも自然な写真とはどんな写真?
おそらく、表現の世界での明確な自然な写真という定義はなく、写真を見てくれた方々がその写真を「自然だ」と感じてくれる事でその写真は自然な写真になるのでは無いかと思います。
自然に見える写真とはどんな状態なのか想像します。
被写体はどんなポーズを取っているか、どんなインテリアに合うか、光の状態、衣装…
今回モデルになってくれている2人はとても仲の良い姉妹さん。
7歳と3歳の七五三撮影で2人とも着物を着てから、最後のドレスの撮影でした。
着物を着ていた時は2人ともかなり緊張していて、お話ししながらニコっとしてくれるけれど、口数は少なく、ドキドキしている雰囲気がとても伝わってきました。
着物を脱いでドレスになった時、やっと少し緊張の糸が溶けてはしゃぐ2人の姿にほっとした気持ちになりました。
この日はとても天気が良くて、暖かい色の綺麗な日差しがくっきりと射し込んでいました。
撮影していた時間はちょうど15時すぎごろ。
越谷店ではこの時間、玄関のとびらを開けると入り口には横の花壇に生えている木の葉っぱに光があたり、日差しが少し遮光されて光と影のコントラスが出来ます。
この場所で、はしゃぐ2人の姿を撮りたいと思い、ドレスでの撮影でしたが、光の色に合うような少しくすんだ色味の入ったピンク系のシャツを着せてもらい、
ドレスに少しのカジュアルっぽさを入れました。
玄関で撮影だったので、一緒に入ったコーディネーターに玄関の扉を抑えてもらい、被写体たちの近くで調整を行ってもらいました。
被写体が2人以上いる場合は前後差でボケ感が出てしまうので、カメラの絞りはf5.0以上で撮影します。
この時は
1/320 秒
f/6.3
ISO/1600
上記の設定で撮影しています。
このシーンではがっちりとしたポーズををしっかり取ってもらうというよりも、少し動いたり、しゃべったりしながら、写真だけど「動いている」というイメージを持って撮影したいと思います。
なので、コーディネーターには近くにいてもらい、シャッターが切れないほど動いてしまった場合には素早く直してもらえるようにしていました。
「上を見てみてー」とお願いし、「今度はカメラのお姉さんを見てみて!」と私がお願いをした時、、妹ちゃんがかぶっている麦わら帽子がぐっと深く入ってしまいました。
この帽子が顔にかかってしまった瞬間、顔が見えないからダメだと思い、シャッターを切らずに帽子を直すという選択肢ももちろあります。
けれど、私はこの妹ちゃんの防止がぐっと下ってしまった時、「動いている」瞬間を感じました。
帽子がうっかり下がってしまった事で笑う妹ちゃんの口元が見えて、何が起こったのだろうとこちらを優しく見つめてくれている、お姉ちゃん。
2人の今目の前で起こった出来事が何だか2人にとってもとても自然な瞬間のように感じました。
「自然」に「動いている」自然に動いている写真だけが「自然な写真」では無いと思いますし、きっちりポーズを決めていてもその子の自然な瞬間が見える事も沢山あります。
だからこそ、ふと訪れた自然な瞬間を自分が構えているカメラで逃さない為には自分の中のイメージを作りがとても大切にだと思います。
2人のこの瞬間に大切にしていたかった「動いている」という瞬間を逃したくない、そう思いながら私はファインダーを覗いていました。
1/320 秒のシャッタースピードは光が差し込んでいる影の色をはっきり出す為に上げて撮影し、f/6.3 は少し動いても1人の大きなボケの差が出ないように、ISO/1600はシャッタースピード、絞りを絞る事で全体が少し暗くなるのでISOは少し高めにして、全体的な色味を明るくする為にしました。
自然な写真の明確な定義が無いと最初に書きましたが、写真という物に正解が存在しない以上私たちはいつどんな時に最高の瞬間に出会う為に、自分たちがイメージを構築し、実践し、ファインダーをのぞき、シャッターを切り続けていくしかありません。
姉と妹、2人が並ぶと身体の大きさは一目瞭然。
でもきっと、もっと時間がたつと2人の身体の体格差はあまりなくなってきます。
今だけのまだ幼い2人のこの瞬間を残せるこの時間が私はとても幸せです。
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