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越谷店
大人になる時
投稿日:2018/9/21
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彼に初めて出会ったのは1年前。
初めて出会った時、すごく優しく笑いながらお父さん、お母さんに甘える姿が可愛らしく、でも10歳の落ち着きもあるしっかりとした男の子でした。
1年ぶりに再会した彼は背も少し大きくなっていて、顔つきも以前よりも大人っぽくなっているように感じました。
彼は前に撮影した私の事、以前一緒に入っていたかつの事もとても鮮明に覚えていてくれていて無邪気に「かっちゃんどこにるの~??」と聞いてくれる姿は、
何だか少しだけ前よりも子どもらしい印象があり、それは2回目のこの場所に安心してより打ち解けてくれているのかなと嬉しい気持ちになりました。
彼が来てくれた日はちょうど天気予報では台風の予報でした。
もしかしたら日中直撃かもしれない・・・そんな心配もありましたが彼の撮影の時は台風の影響を感じないほどに優しい光が入っていました。
10歳~15歳くらいの子どもたちは凄く幼い子どもではないけれど、大人ではありません。
子どもたち本人からしたら自分はもう子どもじゃないという気持ちがあるけれど、回りからはまだ大人としては扱ってもらない。
例えば、自分1人でバスに乗って、電車に乗って出かけたりしたのはみなさん何歳くらいでしたか?
私は確か小学校5年生。
自分が住んでいた場所からバスに乗って、電車に乗らないと通えない場所にダンスのスタジオがあったので1人で40分くらいの道のりを週1回通っていました。
その時の自分は、もう1人で何でも出来るんじゃないか、そんな気持ちを持っていたと思います。笑
けれど、よく思い返してみると小学校を卒業するまでは同じスタジオの友達のお母さんが帰りは車で送ってくれていたなとか、遅く帰ってくる母親も私が1人で帰る時は駅で待ち合わせしてくれていたなとか、子どもから大人になる時に沢山の人支えてもらって成長出来たんだと大人になって気が付きました。
思春期と呼ばれる年代の子たちは子どもと大人の狭間で色々な気持ちを抱えて日々を過ごしていて、血が繋がっている親子だってテレパシーが使える訳でもなく、言葉を交わすチャンスはずっとずっと作り続ける努力をしなければいなけいと思います。
被写体の彼には、思春期という言葉はまだ訪れておらず、どんな大人にもニコニコと楽しそうに撮影する姿をずっと見せてくれていました。
ただ、そんな彼にもきっと大人になる瞬間は訪れます。
だからこそ、私はどんな姿で10代のこの時間を過ごしていたかを感じてもらえる写真を撮りたいと思いました。
この写真でのポイント
①イヤホン ②表情 ③光・モノクロ
この3つがメインで上げられます
①イヤホンを使ったのは、幼い子どもはイヤホンはあまり使いません。
自分の世界を持ち、何かに没頭できる事を知ってはじめてイヤホンというアイテムを使いたいと思う様になると思います。
大人が使うようなアイテムを使う事で彼の成長の印象を与えました。
②表情を笑顔にしたのは、このくったくの無い、無邪気でなんの嘘もない純粋なこの笑顔が彼の全てを表していると思ったからです。
イヤホンを付けながら彼が見ている未来はどんな風になるのか。
でも彼がにこっと笑う姿を見るといつでも楽しくて幸せな気持ちでいられるんだそんな気持ちにさせてくれると感じました。
③モノクロにしたのは、色の印象を情報を少なくする事で印象付けたいポイントを際立たせたかったからです。
画面左側のサイドから光が入っていますが、彼自身は光の方向に身体を向けているのでやや純光気味ですが、少しだけ顔をこちら側にしてもらう事で光はしっかり顔に当たっているけれど、彼の優しい笑顔がより印象的に見える様に、
陰影の差よりも、光をしっかり入れながらもモノクロの締まる印象を与えられるようにしました。
彼がもっと成長した時にこの時の写真を見てどう感じるだろうか。
もしかしたら恥ずかしいと思うかもしれないし、、見たくないと思うかも・・・
でも、今この時の彼は確かにこの瞬間を心から楽しんでいてくれていました。
もし恥ずかしいと思ったとしても、それも彼の成長の証であり、素敵な心の変化だと思う。
来年はどんな姿で彼の成長の瞬間を撮ろうかな。
彼の写真を見ていたらそんな事ばかりが思い浮かびました。
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