「あなたは誰？私はここにいる」 - 姜尚中
　：第1章　おまえはどこに立っている。の中　
　　アルブレヒト・デューラー　の「自画像」

この自画像を始めて見た印象は、イエスキリスト？のような印象でした。まったくの別人ですが、堂々としていて、目も力強く、右手が胸にあるポーズも「自分は強い使命感を持っている」かのような感じです。姜尚中さんはこの自画像から「あなたは誰？私はここにいる」という強いメッセージを感じたといいます。私はそこまで強いものを感じることはありませんでした。ただ、書籍の白黒の小さいコピーと本物の絵画とでは、感じるものが全く違うと思います。音楽を耳だけで聞いているときと、ＬＩＶＥコンサートで体全部で感じるのと全く違うように、心を打たれた度合いは全く違ったのだと思います。ちらっと見てページを見て通り過ぎるのと、文章を書きながらしばらくこの絵と対峙しているとなんだか、私の内面まで見られているような気になります。彼がまっすぐ見つめてくるので、私もまっすぐしていなければ、なんだかいけないような気になります。普段しゃんとしていないからでしょうか？なんだかずっと見ていると緊張してきます。力強い絵です。もし自分の自画像を書いたら、こんなに凛とした強いまなざしと姿勢で自画像が描けるだろうか。おそらく写真でもダメだろうな。と思います。この時自画像のアルブレヒト・デューラーは私と同じ年齢くらいだそうです。昔の人は生きる時間が今よりも全然短かった。だからだろうか、限りある時間の中での生きる事を悟っている強さみたいなものを強く感じます。