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クロックサイクルの速め方

投稿日:2011/8/27

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クロックサイクルの速め方

著:苫米地英人

 この人の本を読むのは4冊目だろうか。脳科学の権威であり、たくさんの経歴、多数の著書が並ぶ。本屋に行くと、この人の本をよく目にする。自分がいつもおもしろいなと思うのは、彼の脳科学の立場からすれば人間はスコトーマ(盲点)、固定概念に左右されて本来の力が発揮出来ていない。そのスコトーマを外す為にはどうしたらいいか?という事が書かれている。どの本も同じ原理内容が書かれているにも関わらず、本屋でついついこの人の本を買ってしまうのは妙な説得力と、自分に対する可能性の希望があるからだろう。あらゆる分野でこの人の提案する方法は適用でき、自分自身トレーニングを習慣化できてはいないものの。基本的な考え方が固定概念だった考えから外れて、盲点を突破出来たときに、本の内容を思い出す。

 もともとクロックサイクルというのは、パソコンのCPUの演算速度、処理能力に関する概念ですが、それがより早ければ早いほど演算処理が早い。この本で扱っているのは、脳のクロックサイクルを速める方法です。脳にはクロックサイクルがあるということが、機能脳科学によってわかってきているそうです。「時間は誰にでも平等」という言葉をよく聞くことがありますが、それを覆す内容を提示しています。私はこういった、何か革命的な事を知ったりすることがどうやら好きなようです。平凡な常識ではない、それを否定する革新的な内容。そして、できたらいいな。試して見る価値があると思います。実際、この本のタイトルに引かれたのは、自分自身に能力が欲しい以前に、時間がもっとほしい。時間が足りないと感じていたから、この本に引き付けられたと思います。

 本を読むときには大きく分けてふたつ①知識を得るために読む ②娯楽のために読むがあると思います。自分も速読を心がけて読むことがありますが、娯楽のために読むときに速読はしたことがありません。むしろ、したくありません。著者も娯楽のために速読を用いることはナンセンスだとあります。小説や詩、映画など作者が想定する速度というものがあると思います。2時間の映画を早送りしながら、5分で見たけど、すごく良かったと言われて喜ぶ作者はいません。著者と速読の概念で同意出来たことは、本を読み進めるにあたって良いことでした。ライフスタジオでは毎月の課題図書の為に、本を読まなければいけない。そういった中で、私も速読を用いる事があります。ただ、小説や物語にはあまり速読を用いると、なんだか読み終わった後に、そんなに早く読むことはなかったなぁと少しもったいないことをしたような気持ちになります。

 速読法の提案の中で紹介されたポイントがありました。読書で新しい知識を得るために一番肝心なことは何か、その理想的な本の読み方は、「自我を消して読む」こととありました。自我を消す。お釈迦様じゃないんだから、悟りを開く境地になってしまいますが、言い換えれば、「著者になって読む」という考え方ができるようになりました。歴史とは何かで著者のカーが言ったように、自分の宗教観、固定概念、自分が大事だと思うことがすでに自分の中にあり、新しい知識や、自分にとって重要でないものがブロックされる現象が

起こってしまいます。知っている知識でも、その重要性に気付けなければ、その情報はスコトーマによって見えなくなる。これは読書に限らず、普段の生活や仕事でも同じことですが、その視点に気付くことでより周りの状況が少し見えるようになった気がします。著者に奈って読む前に、著者がどのような人物だったかを調べて、イメージして著者になりきって読むという方法は、これからの討論を進めるに当たっても一つの方法としてよいのかもしれません。余計な固定概念を生んでしまう場合もあるかもしれませんが、自我の強い状態で自分の視点で読むことは普段からしていることなので、違った視点に立って知識の速読が出来ればいいなと思うようになりました。

 この本が提案する内容は、ただクロックサイクルを速める情報処理だけでなく、より抽象度を高めて、本質に近づくということもあると思います。一つの写真を見て、いろんなことが言えると思います。ただ感じるままで写真を見ることも出来ますが、そこには自分が大事に思うところばかりが見えて、盲点があり、何かを隠してしまうかもしれません。

一つの事柄をどう考えるか。知識を持って、抽象度を高め、本質に近づいた分析をすることもできます。最近情報量が圧倒的に増えているのを感じます。Facebook,twitter,ブログ、インターネット、yahooニュース、TV、読書、雑誌も読みますし、漫画も読みます。普段私が目にする情報に埋もれてしまいそうになりますが、もし、クロックサイクルを速めることができ、情報処理をし、自らの能力を向上させながら、人生を前向きに生きることができるならすばらしいことです。欲しい能力があることから手にした本ではありますが、自分の盲点に気付くことが出来る本だと思います。と、思いながらも盲点だらけなのですが。がんばろー。

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