普段、複数人の撮影をする時に人と人との撮影がほとんどですが、そこにワンちゃんが加わることで、写真においてこだわるポイントが変わることはありません。
その人と人との関係性が伝わるように、写真を見た時にその時を思い出して、笑顔になってもらえるよう意識しながら撮影をしています。

ただ、意識するといってもそれが形にできなければ意味がありません。「なんか良い」と思う写真には必ずその根拠があります。

今回の写真は「関係性」というところに注力を置いて撮影をしました。

まずは私から見たこの彼女とわんちゃんの関係性をお話します。

彼女は3人姉弟の長女で、弟くんと妹ちゃんに対しても、きっと昔から面倒見が良いんだろうなと思うほど優しい。彼女の笑顔は周りに伝染してくような影響力があります。
対して、わんちゃんである彼はみんなのアイドルですね。歩いたり、お座り、伏せなど一挙一動にみんなが笑顔になり、まるで赤ちゃんに話しかけるように名前を呼びます。

そんな彼女とわんちゃんの2ショットを撮りたいと希望を伺った時からどのようなイメージで撮ろうかなと考えていました。

こちらのインテリアは越谷店の別館の一階にあります。
このインテリアを選んだ理由は2つ。
1つは2人の関係性に注目させたいため、シンプルな背景が良かったということ。
2つ目は今回、お姉ちゃんの中学の入学記念だったので、シンプルの中にも華やかさもあるこのインテリアがぴったりでした。

しかし、写真の背景の壁の正面が大きな窓なので、普通に撮ると被写体に当たるのは順光。
順光で撮ると顔がのっぺりしてしまうので、正面の窓のシャッターを閉めて遮光し、被写体に対して半逆光になる位置からライトボックスで光を当てました。

そうすると密着する二人に光のラインが入り、半逆光の柔らかい光で二人の暖かい空気感が写真でも伝わります。

あとは彼女が彼に向ける笑顔と接し方、そんな彼女に身体を安心して預けて、純粋無垢な目でカメラを見ている彼に向けてシャッターを押すだけでした。

入学という節目に大好きな家族との撮影。何度も何度も写真を見返して笑顔になっていただけたら嬉しいです。

photo by Naomi