codi by Naomi

photo by Manami

Write by Manami

 

 

写真を撮る時、ファインダーに映る相手は何を考えて、どんな事が好きで、どんな事が嫌いなんだろう・・・

そんな事を色々考えながら相手を見つめます。

 

家族写真や兄弟写真を撮り終えて、ソロの撮影に入る時、多くの子は撮影が仕切りなおされた雰囲気を察知してかカメラを構えた瞬間に体がかっちと固くなります。

今で走ったりちょっとふざけていたりした子でもその場に立つとこの場の空気感を感じるようでまるで借りてきた猫のようにそわそわしているような真剣な表情をのぞかせますが、

写真を撮る時、その子が今その場所でどんな状態なのか、それをほぐす事ももちろん大切ですが、緊張して、周りを気にするその姿もその子の普段は見せない一場面でありすごく素敵な側面だなと感じます。

だからこそあえて最初は少しだけ静かに、少しだけ動きをあまりつけないでそんな撮影をする事もあります。

 

 

彼女は本当にとてもよく笑ってくれる子でした。

私がホリゾントの部屋に入って挨拶をしてから、彼女の目を少し見つめてちょっとだけ変な顔をしたりするだけで驚くほど笑ってくれて、

私もついつい可愛くて何度も彼女を笑わせていました。

彼女には弟くんがいて弟くんは最初とても緊張している様子でしたが、

一緒にいてくれるお姉ちゃんがとっても良く笑ってくれるので途中からはお姉ちゃんが笑うと弟くんも一緒につられ笑いをしてくれるほどでした。

 

 

弟くんのソロの時も撮影されている弟くんが気になって仕方ないようで何度も前をいったりきたり・・・

「みてみて～」と声をかけてくれたり、次はお姉ちゃんだよ～と声をかけると私を見ながらケラケラ笑っていました。

 

弟くんの撮影も終わり、さぁお姉ちゃんのソロとなった時、一瞬私の目に映ったのは先ほどとは打って変わって、緊張した面持ちの彼女の表情でした。

 

もちろんさっきみたいに良く笑ってよくしゃべってくれていましたが、

ふとした瞬間に見える彼女は少しだけ今この空間を自分で考えているように感じました。

 

撮影を進めながら彼女がだんだんリラックスしていくように色々なお話をするようにしました。

すると、徐々に彼女の表情からあの少しだけ不安そうな表情が消えていき、

私の目の前にいるのはこの瞬間を全力で楽しでくれている彼女の姿でした。

 

彼女を撮影しながら感じたのは彼女のひたむきさ。

 

彼女は今この場所で起こっている出来事や私たちからの問いかけに対して全力で答えようとしてくれました。

お外を見てと私が言うとじっと集中して外をみつめ、少しだけ私が変な事を言うと違うよーと全力で答えてくれる。

すっと外を見つめていた彼女の表情がくしゃっと変わった瞬間に

あぁ、私はこの子のこの全力で純粋にこの瞬間を楽しいって感じでくれた、この顔が見たかったと感じシャッターを切りました。

 

 

この写真では被写体に光を当てながらもインテリアなど全体的に少しだけ色を落として撮影をしました。

全体を明るく構成すると画面全体は白っぽく明るい印象になりますが、

全体が比較的同じ色で構成されるので少しだけのっぺりとした印象になってしまう事もあります。

今回外からのサイド光はやわらかく、補助光としてと、

インテリアが落ちすぎてしまわないように背景の電気の色も調整しながら前後の陰影差を付ける事で被写体を際立出せて、奥行感を出しました。

彼女にかかる光が彼女の零れそうな笑顔をより際立出せてくれていて、彼女の可愛らし笑い声が溢れてくるような雰囲気を意識しました。

 

 

 

写真が終わった後も彼女は私をチラチラと見つめてくれて思わず抱きしめずにはいられませんでした。

私が見ている彼女の姿はほんの一部分かもしれないけど、

それでも私の目の前にいた彼女の姿だけで愛するには十分すぎるほどでした。

成長した彼女と弟くんに会える日まで私もまた成長しなければと思います。