Photogenic
国分寺店
必然的な選択
投稿日:2018/9/10
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私たちは1日にどれだけの「選択」をしているでしょうか。
朝起きて、おにぎりとパンどちらを食べるか。
今日仕事にはどの服を着て行こうか。
喉が渇いたから飲み物は何を飲もうか。
何気なく、その時の思いつきで「選択」はなされているように思えます。
しかし、その「選択」は無意識に自分の中で構築された「選択」なのではないでしょうか。
膨大な選択肢から「選択」するという行為の中には事前にインプットされた情報があり、
それは例えば、
朝なんとなくパンを食べたけれど、
昨夜みた雑誌の中に美味しそうなパンの写真があり無意識に食べたいという欲求があったかもしれない。
喉が渇いたからなんとなくオレンジジュースを買ったけれど、
昨日、すれ違いざまに歩いていた子供が美味しそうにオレンジジュースを飲んでいたのをインプットしたのかもしれない。
何となく行われている「選択」だけれど、それは必然的な「選択」なのでしょう。
それでは写真に話を持っていきましょう。
私たちカメラマンも、同様に日々たくさんの「選択」をしています。
どのインテリアで撮影するのか。
どのトリミングで撮るのか。
どの露出で撮るのか。
どのようなポーズをさせるのか。
どのような投げかけをしてどのような表情にさせるのか。
まさに、「選択」の連続です。
私が彼女の撮影に入るにあたり、
事前に前回撮影の写真を見ました。
これまでに4回国分寺店で撮影に来てくれている彼女。
国分寺の様々なインテリアで撮影されており、
前回の撮影では、彼女の時折見せる凛とした美しさや無邪気な笑顔、
彼女の様々な一面をそれに合わせたトリミングで美しく切り取っていました。
私が彼女のカメラマンを担当するのは初めて。
前回とは違った、そして前回以上の撮影をするには、さてどうしたものか。
〇1つ目の選択「別館のインテリア」
これは単純に、これまで撮影していなかった新しいインテリアで撮影をしようという選択です。
〇2つ目の選択「暗い中での光の演出」
別館にある大きな木の階段で撮影する際、光があまり届かないのでライトを付けて撮影することが多いです。
彼女のソロ写真の撮影をしたのは16:00頃。
外の光を利用するにはギリギリの時間です。
階段に座らせ、手すりの隙間から光が差し込んできます。
いつもは光に包まれる中での撮影が多いですが、今回は暗い0の状態から光を入れていきます。
顔の位置を調節し、外を見てもらいました。
目に少しのキャッチアイが入り、彼女の綺麗な顔のラインを光が表現してくれます。
〇3つ目の選択「横トリミング」
クローズアップと迷いましたが、彼女の髪の毛の質感、おくれ毛、衣装、
そして階段というインテリアであることが少しでも分かるように、このトリミングに決めました。
彼女の表情だけが照らされている、それが伝わるように背景も入れての選択をしました。
〇4つ目の選択「少しだけ微笑む表情」
この1枚を撮る際、「笑わなくても大丈夫だよ」と声を掛けました。
何気なく、物思いにふける表情。そんなアンニュイな表情もこちらの意図を受け取って上手に表現してくれます。
しかし、シャッターを切る時、もう少し柔らかいほうがいいなと判断し、
私の後ろに彼女の妹がちょこちょこしてくれていたので、
「いま、どこに隠れてるか見える?」とちょっとした投げかけをすると絶妙な表情でほほ笑んでくれました。
今回の撮影は先に姉妹2ショットと妹を撮ったので、彼女の撮影をしたのは最後。
2ショットのときはとても陽気で二人で踊りだしてしまうくらい、元気で魅力あふれる笑顔。
お布団を広げて「はい眠ってー!」というとワクワクしてしまってつい寝たままニコニコ笑ってしまう。
その姿が彼女のありのままの姿なのかもしれない。
けれど、撮影前のカウンセリングから彼女のソロ撮影をするまでに、彼女と話し、彼女と遊び、
その中で選択されたイメージ。
彼女自身も自覚していないかもしれない、彼女の一面。
私がこれまで生きてきた中で見た景色、聴いた音楽、食べた味。
全てがインプットされ咀嚼され、私の中で混ざり、
彼女とのコミュニケーションとの中から選びだした1枚のイメージ。
全ては必然的な選択。
photographer:tansho
coordinator:suzu
written by tansho
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