Photogenic
自由が丘店
Photogenic:133
投稿日:2017/5/31
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幾何学的建築に在る
お客様と階段を降りながらよく交わされる会話で
「面白い建物ですよね」というものがある。
階段を登り降りしていると自分が何階にいるのかわからなくなるほどだ。
自由が丘店ならではの、特徴的な建築を活かして撮影したいと、いつも考えていたが、階段は移動だけで終わってしまう。
なぜかというと、とても暗い場所で、しかも狭い。
ライトをいれて撮影をしてみても、一部だけを切り取る写真になり、全体を写せない。
全く良さが活かせないのだ。
ある日の撮影で、シーンの切り替えの時、階段を降りていたら、天窓から降り注ぐ光が、
階段の一部にスポットのように光を落としているのを見つける。
ちょうど14時くらいの太陽が真上にある時間帯だ。
なるほど、上から見る階段は幾何学模様を描き、とても面白い。
私はここで撮影をしたいと思った。
光があるうちに撮影したい。
ただ、実験的な撮影で独りよがりなものになってはいけないなとも思う。
次のシーン、私は普段撮影している別の場所を選択した。
彼は写真を撮られることが好きで、こちらの声がけにすぐに反応してくれる。
どこに行っても主役になってしまうような人だと思った。
大げさなポーズではなく、ひとつひとつの動作が様になる。
撮影をしながら、私の中で確信を得た。
この人なら、自由が丘店の個性的な建築物の中にいても、存在感を引き立てることができる。
撮影の最後に「撮影してみたい場所があるんだけど良いかな?」と聞くと快諾してくれた。
光はまだ階段の一点に落ちていた。
「ここに座ってほしいんだよね。」
コーディネイターの戸田さんが頬杖をつくポーズを誘導する。
私が階段を駆け上がりカメラを構えると、視線をチラとあげた。
力強い視線。
光と影が強いコントラストを生む。
建築のグラフィカルな幾何学模様に彼が存在している。
私が撮影したかった、自由が丘店ならではの写真が残せたと感じた。
Photo by Tonegawa
Coordinate by Toda
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