Photogenic


自由が丘店
scrollable

Photogenic:113

投稿日:2016/12/31

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彼女の第一印象は物静か。
お洋服を決める時間も撮影中もほとんど言葉は発しっていませんでした。
ママさんに聞くと普段も感情表現を表に出すのは
そんなにしない方だという事でした。
何度もライフに足を運び一年に一度写真を残しに来てくれるご家族。今回も楽しみにしてくれているとママさんが話してくれた。

そんな中で大きくはありませんが
こちらに優しく笑顔を向けてくれる姿がありました。
撮影に使う洋服選びも彼女に選んでもらい
沢山あるドレスの中から彼女はドレスではなくカジュアルな緑色のワンピースを選んで
その時に見せた笑顔もよく見ていなければ見逃してしまいそうなくらい、薄ら頬が緩んで
すぐに真剣な表情に戻っていましたが
そんな彼女の姿に、今日を楽しみにしてくれているのだという姿勢が伝わります。

彼女が選んだ小花柄で緑色のワンピースに
コーディネーターがつけてくれたピンク色の大きな花飾りが引き立て合い、彼女の性格や雰囲気とも似合う場所を考えていた時に

ふと私の好きな画家であるアルフォンス・ミシャという人物を思い出しました。
彼の画風の特徴が美しい女性と共に鮮やかな花や華麗な曲線を使用し、背景には暗色の幾何学模様や草花を描くのが特徴で、それはメインである女性を明るくし、焦点を当てるために使う手法です。

また彼女が立つこの場所は、原色や無邪気さ、元気なポーズなどよりかは、アルフォンス・ミシャの画風であるアンティークロマンを思わせました。

まだ10歳である彼女ですが、ゆっくりと流れる時間と優しく微笑みかける表情、自然に出る仕草などをくみ取る中で、無理に作る表情や仕草、無邪気で可愛らしい子供の印象とは違い、彼女の内にある静けさと優しさや自然に見せた曲線を描く様なポーズは、気品や上品さという美しい女性を連想させました。

被写体に当てた光は、窓際に立ってもらう事で、彼女自身の雰囲気や特徴に焦点を当てるのに丁度良く、表情と仕草がメインになるよう構成し、背景の緑と小花柄の衣装は、髪につけた花と鮮やかなピンク色が引き立て彼女を華やかに見せており、植物やインテリアの雰囲気などもまるでアルフォンス・ミシャの「夏」という絵を完成させるようでした。

ミシャの様な絵画とは違い、新しさやインパクト性にはかけるかもしれませんが、日常にあふれた何気ない仕草に、彼女に対しての理解を通して共に作る事が出来る写真は、表情や仕草などを周りの要素も生かしていく事が出来れば、彼女が見せた何気ないものも美しいデザインの要素になっていくのではないでしょうか。

Jiyugaoka Photo by Shie , Coordinate by Ren

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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