Photogenic
市川店
あの時の思い出と共に
投稿日:2021/4/30
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Photo:KATSU
coordinator:MATSUDA
Write:OSHIKATA
市川店では今年の1月から新たな取組みとして、主題写真をスタッフ一同が取り組んでいる。
今までの主題写真は被写体中心の取り組みだったが、市川店では、被写体以外から主題を取り入れている。被写体以外とは、テーマを小物や色などにし、写真のレパートリーの幅を増やす事にも繋がると考え、市川店では行っている。
また、主題写真はカメラマンだけが取り組むのではなく、カメラマンとアシスタント2人で作っていく事も市川店では意識し、撮影前や合間の準備をしている間にも打ち合わせをしたりしている。
市川店は、毎週会議の際に主題写真についての取り組み、気付きを共有している。
3月からの主題は「光」である。
光と聞いて、何を考えるだろうか。明るい、白い、眩しいなど連想されるだろう。
この「光」という主題の中で、1枚だけオレンジの写真が私の目に止まった。
皆が、「光」という主題の中で、他の誰もが撮っていないこのオレンジの写真に私は一瞬目が惹かれたのだ。
誰がこの写真を撮ったのだろうか?ホリゾンで色を作っているから、こっちゃんかな?それとも、イメージ写真を元に作った香代子さんかなと思いながら、カメラマンを見てみるとそこには、
「望月 克昌」
という名前が記載されていた。
私は普段、かつさんと撮影を入る事がある。撮影の際は、ゴリラの真似をしている事が多いかつさん。
ゴリラの真似をした事によってはじめましてから、さようならまで子供にゴリラという言葉しか声をかけてもらえなかった、かつさん。
いつもは子供と楽しい雰囲気を作りながら撮影をしているかつさんが、光を作っているのを見て、少し驚いてしまった。
私が一緒に撮影に入る時に、光を作って撮っているかつさんを見た事がなかったため、思わずかつさんに聞いてしまった。
「なんで、光の主題でオレンジを撮ったんですか?」
私は単純に疑問だったのだ。他の人が自然光を使って主題写真を撮っている中で、光を作っているという事が。
かつさんからは、この写真の子が卒業と入学記念で撮影に来てくれた話を聞いた。記念に残る写真を撮りたいが、どう表現しようと考えた時に、卒業を光という形で表そうと考えたそうだ。
卒業は別れという言葉もあるが、振り返るという言葉もある。今まで通っていた6年間の思いを、下校時間に連想させて作ったのだそうだ。
持ってもらう小物も、花では卒業記念という形にはなるが、下校という言葉と連想させるなら、本の方が近いと感じる。そのため、小物も本を持ってもらい、表情も少し本の方に目線を向け、微笑んでもらったそうだ。画角も表情と本を持っている様子が。自然体に写るように作り、撮ったのだ。
私は最初、この写真を見た時になんでオレンジなの?としか思わなかったが、説明を聞く事で、今にも写真の彼女から「あの時、楽しかったな。」という声後聞こえてきそうだと感じた。
写真1枚1枚には意味があるものだ。だが、その意味は千差万別である。右が良いといえば左が良いと言い、上が良いと言えば下が良いという。写真の説明を聞いて、カメラマンが何を意図しているのか、明確に分かるだけでなく、考え方を知ることもできる。
写真というものは、見て判断するだけでなく、聞いて判断する事もできる存在だ。
自分自身、カメラマンデビューのため技術を身につけるために、技術主題の課題を行っている。
まだ、撮ることに集中してしまっているが、ライフスタジオのカメラマンの方のように、被写体のことを思い考えられるような写真を残していきたいと思う。
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