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子どもの魅力には敵わない~Peace!!~

投稿日:2019/3/4

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私は毎日がもどかしい。

写真というものに、いまだに慣れていない。

慣れたほうが良いのか、慣れるべきではないのか、正直わからない。

毎日試行錯誤しながら撮影を行っている。あーでもない、こーでもない。

光やインテリアなどを見つめながら、ありとあらゆる魅力を探して彷徨っているけれど、

最大の魅力は、子ども自体にあるのかもしれない。

 

 

 

「子どもの魅力には敵わない~Peace!!~」

 

ICHIKAWA Photo 
 
Photo by Yuri Motohashi
 
Coordinator by Takayuki Fujigoe
 
Write by Yuri Motohashi
 
Place:2F Horizont
Time:AM11:18
ISO:500 F:3.2 SS:1/200

 

 

 

冒頭にも書いたように、私は毎日悩んでいます。

どうしたら良い写真が撮れるか、毎日悩んでいます。

撮れば撮るほど、悩んでいます。

 

撮れば撮るほど、たくさんの経験が積まれていきます。

人はある程度の経験をすると、新しいことへ興味が湧いてきます。

私はまさに撮影に対して、その最中。

コーディネーターの場合。新人の頃は全ての衣装が新鮮で、1と1を合わせるだけで可愛く思えました。しかし経験を積むと、ただの1と1では物足りなくなってきます。同じ衣装を見すぎて「これって本当に可愛いのかな?」と不安に思ってきたり、コーディネートにもっと小物をプラスしたくなったり、1の可能性を広げたく思えてきます。

カメラマンの場合。あるインテリアに対しての撮り方を考えます。最初は真正面、次は真横。その次はちょっと上から、下から。さらにはこんな小物も使ってみようか、テーマは何にしようか。経験を積むと、自分のレベルを上げようとして、あれこれしてみたくなります。

そうしているうちに、深い深い森に迷い込んでしまったかのように、出口(良い写真)はおろか、入り口(基本的な写真)さえもわからなくなってしまうことがあります。

「あれ、この撮り方って、良いのかな?」

 

初心忘れるべからずとはよく言ったもので、毎日同じことを繰り返していると、それが本当に良いものなのか、悪いものなのか、普通のものなのか、わからなくなってしまうことがあります。私はそれがイヤで、毎日が挑戦という気持ちで撮影に臨んではいるのですが、残念ながらよく道に迷います。

 

 

 

シンプルイズベスト


 

写真では、引き算が大切だ、なんてよく言います。無駄なものは省いていこう、と。

毎日が挑戦という気持ちで撮影している私は、思い返すと足し算ばかりしていたように思います。

ココのインテリアにはどんな小物が合うかな。これを置いてみよう。

この衣装には、どんな工夫が必要かな。あれを付けてみよう。

どんな前ボケが出来るかな。これを使ってみよう。

私の向上心は一旦置いておくとして、やはり足し算ばかりでした。

大切なのは、それらの足す要素が意味のあるものなのか。

その小物は本当にそのインテリアに合っているか?その前ボケはどんな意味があるのか?

インテリアに対しての小物の設置やテーマ決め、衣装のこだわりや前ボケは、ライフの写真を撮るには必要な要素ですが、考えすぎるあまりに私は原点を見失いそうになっていました。

この写真は、ホリゾントという、壁が白一色のお部屋で撮影をしました。

天井と左右の壁にはライトが付いていて、そのライト次第で様々な明暗を作り出すことが出来ます。

ライトの使い方によってはお顔が白く飛んじゃったり、暗くなったりと、個人的には結構使うのが難しいお部屋です。

このお部屋は背景が白のみなので、ダイレクトに被写体に集中出来ます。複数人の撮影で使ったり、お着物やランドセルなどの撮影のときに使ったりします。

今回は、3歳のカジュアル撮影で使用しました。

足し算ばかりしていた私は、引き算をしてみたくなったのです。

何もいらない。被写体のみ。シンプルイズベスト。

そんな写真を撮ってみたくなるような、可愛らしい女の子だったのです。

 

 

 

あやのちゃん


 

彼女は七五三の撮影で来てくれました。人見知りなく、とってもお利口さんでした。

可愛くなれることが嬉しくて、七五三のヘアメイク中には何回もパパやママに「可愛い?」と確認していました。まだ髪の毛を二つに結んだだけなのに^^

撮影中はこちらのお願いに沿って動いてくれて、とても上手に遊んでくれました。

動きひとつひとつが可愛い。表情も豊か。

そんな彼女を伸び伸びとさせてあげて、彼女の魅力だけを撮りたいなぁ。

そう思えてきました。

彼女を撮るには、身一つでじゅうぶんだ。余計なものは何もいらない。

彼女の魅力が隠れてしまわないように、ホリゾンで撮ろう。そう思いました。

 

衣装は白のワンピース。最初はデニムシャツを着ていました。デニムシャツを羽織ったバージョンはインテリアがあるところで撮り、シャツを脱いでホリゾンへ向かいました。

もう何もいらない、彼女だけを撮りたい、そう思ったので、引き算をしまくりました。

上着、排除。小物、排除。こちらからの指示、排除。イスに座らせただけ。

すると、やはり彼女は可愛らしいポージングを始めました。

 

 

ピース!

 

 

ライフでは「今日はピースしなくていいよー」とよく言います。

記念撮影みたいになってしまいますからね。

でもこのピース、ちょっと違うと思います。そのピースじゃない。

たまらないピース。

これぞ、あやのちゃん。THEあやのちゃん。

引き算をしたら、彼女の魅力が浮かび上がってきました。

これ以上足すものなんて、あるのかな。

あんだけ悩んでたんだけどなー。やっぱり、引き算か。

 

 

何を足しても、どんだけ工夫をしても、子どもの魅力には敵わないな。

参りました。

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