Photogenic
市川店
動きの先にある物
投稿日:2018/12/10
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Photo by Fujigoe
Coordinator by Motohashi
私は小さいころよく大人たちに「あなたの行動は予測できない」と言われ続けていました。
例えば、皆が何かに集まっているときも一人で石拾いをしたり、学期末に教科書を持って帰らず袋づめにして校舎の裏に埋めたりと今思えば確かに予測できないというよりも、少しズレた行動をとっていたのかもしれません。
話のスタートもだいぶズレてしまいましたが、私はよく撮影をする際被写体に合わせて動く撮影をします。
しかしその方法はカメラマンによって様々です。被写体にカメラマンのしてもらいたいポーズを直接見せてそれを真似してもらう方法、会話をしながら被写体に動いてもらう方法その他数通りの方法によって私達カメラマンは撮影をしています。
時々私は被写体にほんの少し情報を与えて、そこから自分に考えて動いてもらう事もあります。「あそこまで歩いてみて」や「そこで寝ちゃえ」といったある意味被写体任せな部分があるかもしれませんが、その動きを楽しみながら撮影をしています。
偶然を撮影しているだけではと言われるかもしれませんが、私はそうは思っていません。なぜならその瞬間も私が残した一つだからです。
写真とは記録と表現のことであり、写真とは克明に記録し表現することです。「今この瞬間を残したい」と、「今この瞬間を表現したい」ということ。写真とは端的に言えば、今まで様々な写真論が述べられてきましたが、結局、この2つに収斂します。
写真撮影の全ては、この記録と表現に戻すためにされてきた行為です。そして、何のためにこれをしてきたのか。記録も表現も、記憶に残すためにされてきました。写真とは、光と影であらわされた被写体を克明に記録し、印象的に表現し、記憶に残すものであると言えます。
つまり動物の写真家が長い時間そこにまって動物たちが現れた瞬間を撮影することと、その被写体が見せる一瞬の動きを撮る事は同じであると思うのです。
まるで獲物を刈る狩人のようにその瞬間を集中しながら楽しんで撮影をしています。
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