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市川店
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「逆光へのアプローチ」

投稿日:2018/8/2

2021 0

分析

1/100s  ISO 800   f/2.8  焦点距離 145mm

5月の夕方に入ってくる光で、後ろにライトが入っているような明かりを時々出してくれます。場合によっては単焦点レンズの85mmを使ったりしますが、今回の場合は前後の奥行きを圧縮したかったので200mmの望遠レンズを使いました。

この写真のポイントを上げるのであれば、光とテーブルの反射の前ボケとカーテンの融合にあると思います。

光だけでは前に述べているように立体感のない写真になってしまいます。そこに光を巻きこむ前ボケとカーテンを入れることで少し雰囲気があがり、写真全体としての完成度を高めてくれます。

10歳以上の撮影になると私の頭はフル回転をします。時々へんな汗をかきながらまずその被写体に対して様々な分析を行っていきます。その被写体の持つ魅力や特徴を見つけるだけでなく、被写体と話をしながら緊張をほぐし且つ撮影の雰囲気を柔らかくしていく。ライフの写真は撮影だけに力を注ぐのではなく、様々な要因を重ねて出来上がるものです。

今回撮影した彼も同じように、最初は少し緊張した面持ちでしたが、小学校4年生になり陸上部という部活動をしていく中で、年上の学年と接する機会を得て先輩と後輩の関係性を学んでいる状態でした。よって撮影を始めたころの彼は敬語を使いながらどこかぎこちない感じがしていました。それらを解きほぐしながら撮影を行っていきました。その中で私のアンテナが何かを拾いました。普段撮影をしたことのない何かをその時私は欲しました。窓から入ってくる光に彼の輪郭が解け、逆光を撮影するときにいつも私は強すぎず弱すぎない光を好んで撮影していますが。この時だけは違いました。なぜかは分かりませんが、自分とアシスタントと被写体がいい波長で繋がると自分の中から様々な写真の法則や経験が引き出され新たな写真を作ろうとします。

今回の写真は被写体を出来る限り背景のインテリアに近づけているため、どうしても奥行きが出なくなってきます。よって前にカーテンを入れて光を少し和らげ、また前にあった机を前ボケにし光が反射して線ではなく面の前ボケとなり、カーテンとその前ボケにより前後の立体感を出す事にしました。ポーズに関しては大体の立ち位置はこちらで指示をし、ポケットに手を入れてもらって、彼がさりげなく入れた手の形が綺麗だったためそのままにしてもらい、体を少しよじってもらいながら下を向いてもらいました。そのとき自分がシャッターを切ろうとした瞬間全てがまとまった感じがしました。

 

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