Photogenic
市川店
【空間】
投稿日:2017/8/5
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サブタイトル:『空間を観察することは』
Photo by 藤肥 孝幸
F:f/3.2
Shutter speed:1/100s
ISO: 500
焦点距離:125m
今回から一年間写真の主題を決めてそれに合わせて写真大辞典を進めていくことになる。私が選んだ主題は「空間」である。ではその主題を元に今回の写真大辞典にある観察というコラムを行っていく。
では私たちが普段行っている分析と観察の違いとはなんだろう?
観察は対象の実態を知るために注意深く見ること。その様子を見て、その変化を記録すること。分析とはある物事を分解して、それらを成立させている成分・要素・側面を明らかにすること。証明するべき命題から、それを成立させる条件へ次々に遡っていくやり方。となるとそのものを知ろうとつぶさに見ることか、そのものを分解して仕組みのみを知ろうとすることの違いであると私は感じる。観察はそのままをよく見つめることをし、分析はそのままではなく解体・解剖することである。では言葉の意味を理解した上で今回はこの写真を観察してみる。
普段撮影をしない場所にはなるが、この空間から観察をしてみる場所はキッチンと本棚の中間地点キッチンの一番端からこの台までの距離は400㎝そしてこの台から一番奥のインテリアまでの距離は420㎝である。また台の構造は高さ約100㎝縦37.5㎝横に173㎝の広さになっている。空間としては市川店で白いホリゾンを除けば端から端までの距離があるインテリアである。被写体にあたる自然光は、横と後ろの窓から光が入り方角は南にあたる。色は白系統でキッチン台から天井にかけては広く同じ系統の色で統一されている。照明は後ろに白とオレンジの暖色系のライトが付き、さらに天井には稼働可能な暖色系のライトが補助光として使うことが出来る。さらに奥のテラスの淡いブルーと植物のグリーンが正面の配色として入ってくる。この場所被写体は前にも述べたようにあまり広さがないため、とれるポーズは限られてくる。もし被写体を立たせたいのであれば、カメラマン自身も椅子の上に載って撮影する必要も出てくる。この写真でも分かるように乗っている台自体は映していない。理由は二つある。一つ目は台の一番上が傘状になっており出っ張りがあるため陰になり写真の立体感をそこねてしまうのと、色味が影の黒が全体の写真の色と合わなくなるためだ。二つ目は台の上の素材と土台になっているところの素材が違うところである。上の部分は光沢があり光をうまく巻き取ってくれる。しかし下の部分はザラザラした材質で上と下とが醸し出すイメージが違いすぎるため、上の部分のみで撮影をしている。
また少し斜めにすると本棚があり被写体に接近して広角で撮影をするとまた違った写真になることは間違いないであろう。
またこの写真で見てみると後ろの背景には白い棒が四角を形成しており、その四角の中に被写体を入れるためにあえて胡座をかかせて座らせている。また天井についている補助光のライトは今回付けず、写真のポイントとして使用した。バックライトは付けてオレンジの光は入れず、白い光だけを入れている。これはこの空間や被写体のイメージが夏の爽やかな色味を連想させたからである。
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