タイトル：『共感・感情移入』
サブタイトル：『共感・感情移入を観察することは』
 Photo by村山　詩織

F：f/2.8
Shutter speed:1/100s
ISO: 100
焦点距離：148m

彼は二人兄弟のお兄ちゃんで会話を交わしていくと物凄く達観した話し方をしており、第一印象は大人っぽい子だと言うイメージだった。
撮影が始め、まず2ショットからの撮影だったのだが、お兄ちゃんというだけで我慢をしてもらいながらの撮影となった。
2ショットの撮影の最中は終始困ったような顔であり、弟に合わせながらの撮影に対して多少の飽きを感じた。
何とか踏ん張ってもらい弟を休憩させる意味もあり兄である彼の撮影を始めた。
カメラマンとして少しの不安も少なからずあったが、着替えが終わり顔を見た瞬間に印象がガラリと変わっている事に驚かされた。主役になった彼はさも『自分を見ろ！！』と言わんばかりの顔つきだった。
会話をしている最中も垣間見えていた大人な表情の中に大人顔負けの表情。撮影をしているこちらが彼の空気、波に飲み込まれていたように思う。
そんな彼を今回の写真大辞典最初の分析対象に選ばせてもらった。
この写真撮影する際サイドからの光が右顔に当てることにより陰影をつける。
そして、目を伏せることによって写真下部への意味付けができたのではないか。彼は何を思い下方を見ているのか、考えさせられる。
そして望遠レンズを使うことによって背景をしっかりとぼかしながらもビンなどによって刺し色にもなっている。
壁の色と彼の衣装の色のモノトーンによって写真自体の色味は派手さには欠けるが全体的にも落ち着きまとまりが出たのではないかと思う。
ただもう少し全体に光があり明るいとまた印象がガラリと変わるのではないかと思うのでまた挑戦をしていきたいと思う。