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静岡プロジェクト4読書感想文「チェンジメーカ

投稿日:2011/10/17

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チェンジメーカー

社会企業家が世の中を変える

渡邊 奈々 著

 

蒔田 清子

 

今もやっているのかわからないが、以前NHKでチェンジメーカーという番組があった。

とても興味のある番組だった。

この本は、その番組とは関係がないと思うのだが、このチェンジメーカーという言葉から、連想せずには要られなかった。

副題は社会企業家が世の中を変えるである。私はこの本を手にしたとき、内部文化の実践をする為の本を探していた。

内部文化について一ヶ月間模索してきた、その中で次は実践だと考え、図書館に行き本を選んでいた。その時にこの本に出会った。

 

渡邊は写真家である、ニューヨークを拠点に活動する。

ニューヨークにいた渡邊が日本と行き来する中で、仕事と矛盾と出会う。それは日本に対する矛盾であり日本人に対する矛盾であった。

プロローグにこんな内容がある。

ピカピカの外観と輝きのない表情の組み合わせ、そこに違和感を感じたのかも知れません。

こんなに色んなものが手に入ったのに、幸福感がないよ。どうしてなんだ、約束と違うじゃないか。―――

バブル経済崩壊による経済の低迷、リストラと失業により、日本の強みだった「終身雇用が幸せを保証する」という就労観は壊れて来ました。中年男性の自殺の増加、大人と社会の鏡である子供達の引きこもりや不登校、そのほかにも単純に解決できない問題は山済みですが、何故か多くの日本人は諦めと無関心を装い続けています。

「幸福とはなにか」ということを改めて定義しなければならない。幸福を手に入れる条件だといわれている「安定」が保証されなくなった今、「仕事」の再定義も必要だろう.

―――

そして、そんな生き方働き方のヒントを得ようと社会企業家たちへのインタビューを重ねる。

一歩先に世の中の問題と矛盾に気付き、何かを変えたいと思って、内側から輝く光を発している、そんな魅力的な社会企業家たちの働き方を通して、私は「変化発展するヒント」を探したいと考えた。

内部文化の実践に関しては、変化発展の原理や原動力、そして変化発展の原動力や共に歩むという事、そしてちチームで同じ方向を向く事。多くの事が必要なのであるが、ここに出てくる、18人は自分で文化を作り、人々を動かし世の中を変えている。

何も無いところから、考え実践してやってきたのだ。

 

Bill drayton  アショカ財担 代表。

活動目的:世界的でグローバルな市民のための事業モデルを作り、世界中に社会企業家の精神を育てる。

活動内容:社会を変革する可能性を秘めた先駆的な事業を選んで、そこに投資し、活動を支援する。

ドレイトンは世界中から来る社会企業家たちの面接を受け、投資をして共に歩むかを決めるのだが、そこで何がポイントかというときに

理想的なアイデアを現実にするうえで具体的な戦略を持っているか。予期せぬ障害が起きた時でも即座に頭を切り替えてゴールに向けて、あらたな経路を見つける十年生があるかー

ただの夢想家でなく、夢をもった行動かである事。欠かせない資質は持続力である。社会の構造を帰るという遠大な作業はいつまでかかるか分からない。短期的な達成感が無くても情熱を持続する力が必要である。そして最も必要な素質は誠実さである。

 

私は、内部文化について具体的な方法を模索しているが、具体的な戦略はなんだろうか。

今は、デザイン室の内部文化に取り組んでいる。

そして、短期的な達成感が得られるような事ではない。文化とは、強制力を持ってやっていったところで上手くいくわけでもない、仮定を立てて実行しまた考えて仮定を立てて実行していく連続である。ドレイトンは何も無いところから、自分の構想を実現するために動いた、そこに人が付いてきた。多くの知識も必要であっただろう。しかしそれだけでは人は着いてこない、多くの人が彼に同参する為にはまず自らが世界を駆け巡り、人々の声を聞いた。

そして着実に変えてきたのだ。

そして彼は、変化発展のシステムを作ってきた。それは基金ということで世界中にいる社会企業家の中から選抜し、投資をして成功させてきた。そしてそれが信頼につながり、せんばつされた企業はブランド力も手にした。

この世界を変えるシステム作りはどんどんと広がっている。

システムとは、それによって行動が起こしやすく、変化発展できうるプログラムである。今ライフスタジオでは様ざまなプログラム、システムがあるがこれを生かすかそのままにするかは自分次第である。しかしそれの意味を皆で考えることは出来るだろう。

 

Rosanne Haggerty

コモン・グラウンド・コミュニティー 代表

活動目的:安全で魅力的、かつ経済的な住居環境とコミュニティーを実現する事によってホームレスの人々の生活状態を改善・解決する

活動内容:住居の提供だけのみでなく、医療サービスや就職訓練などを含めた総括的なシステムを実践し、野宿者のジリツした社会生活への復帰を支援する。

彼女は「お恵み」の食べ物で日々をしのぐホームレスの人々と生活を共にしながら、この状況をどうにか根本的に変えられないものかと、考え始めた。

そして治安の悪い場所に立つホテルやアパートを購入し、魅力的に作り変えそしてそこにホームレスを住まわせる。そうするとその場所の土地価格も上がり、そして犯罪率も減っている。

そしてアイスクリーム屋と提携して、事業展開も行っている。

ホテルを改築し、ジュウミンたちの交流の場を設け、一般の住民とのかかわりやアートスペースを作るなど、それ自体が文化発信の場所になっている。

彼女の写真と紹介文を読みながら、実行する事、そして物事を進行する方法、例えば彼女は当時4歳の息子の手を引きホームレスの巣窟のようなホテルに入っていった、そこから3年間資金集め、そして賛同者を募り計画し実行してきた。

彼女が優秀だったから?それよりも大きな使命感があったからであろう。

現在のホテルで住民と会話をする写真が掲載されているが、彼女の笑顔と住人の笑顔が印象的である。それは、彼女がただ単に住居を改築し提供しただけではない、その住居で魅力的な文化を作っていったからである。

心を閉ざしたホームレス達の心に寄り添い、社会と共存するすべを模索していった、そして親のように姉のように皆を考えている。

住人1200人の病状や環境を全て記憶しているというエピソードからも伺える。

現在、内部文化について考えているが、実行する段階で外的内的アプローチ両方が必要であると考えている。

環境や、仕事の仕方、会議や、討論のやり方等全てを見つめていく事も必要である、それと共に内的に共にする文化、肯定の文化、変化発展の文化を構築していく事。これがとても必要なのだ。

彼女を見ながらその二つを共にやっていく事を学んだ。

 

Eva Gordon

シーズ・オブ・ピースプログラム開発ディレクター

活動目的:紛争状態にある地域における和解や序損を目指した若手指導者の育成。

活動内容:中近東、南アジア、キプロス、バルカン諸島における青少年向けの活動を行う。米国メイン集の国際キャンプから始まり、エルサレムでの追随的なワークショップその他教育機会を運営。

紛争関係にある地域の青少年を中立の立場である北米でサマーキャンプを実施する。そこから平和の種をまく。憎しみは政治の力では絶対に解決しないと在る。

青少年達は共に活動し、討論を重ねる、食事を共にし寝る場所も一緒だ。はじめはいがみ合いを重ねるが個人を見るようになるそうすると悪い人ではない、自分達と同じ人間である事を知る。

自分の無知との戦いでもあるし、未来を見つめる闘いでもある。

エバはここで、プログラム開発やカウンセラーを努めている。中立の立場で一つの目的「平和」に向かっているのである。

そしてこの団体はこのつながりを絶やさぬように「共存」スペースを設けている。また未来のリーだー育成にも力を入れている、優秀なキャンプ卒業席には、大学進路指導をし、奨学金を与える制度だ。

ここから私は、自分の立場を冷静に見つめる時間を持った。

文化を作るとき、まず構成員たちはどのような人々であるかを考える事はとても重要である。デザイン室は人数が少ないぶん個人的になりやすいし韓国と日本という場所や今までのバックグラウンドの差や考え方の違い等、どこの職場でもあることであるが同じ目的のためにやっていくには、それを全体的に見ていける目を持った人が必要である。

そしてしっかりとコンセプトを理解し、伝えていける人。

私はその役割を担えるのだろうか。

自己のスタンスを考え直す機会になった。

 

その他、15人の紹介が乗っている。

ここで共通に見られることは、使命を持って実行しているというところである。

そして、それぞれの団体特有の文化を持ち、その文化が団体を動かし、そして周りを巻き込みながら良い影響を与えている。

組織のルールというよりは、共通の目的に向かって構成員一人ひとりが向かうのである。これらの団体には毎年何通もの職員応募が寄せられる。

皆が団体を求めるのは、そのやっていること自体でもそうなのだが、その団体固有の文化に惹かれての事だろう。

その文化を発信している、18人は一様に自身と使命感と生きがいに満ちている。

そしてそんな団体が世界を少しずつ変えているのだ。

 

私は文化を創ることが出来るのだろうか。

ここでは、皆に共通に感じることは、肯定感である。人を肯定すること。

ポジティブに人、社会ににかかわろうとしていること。あきらめてはいない人。

そんな彼らを見ながら、私も構成員たちが毎日を生きがいに満ちて生きられるように、文化の形成をしていきたい。

そしてこの本には、そのヒントがたくさん詰まっていた。

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