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ふじみ野店
価値観
投稿日:2020/12/20     更新日:2020/12/20
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私にとっての常識と、あなたにとっての常識。
私にとっての価値観と、あなたにとっての価値観。
同じものもあれば、全く違うものかもしれません。
写真も見る人によって、その価値観が変わります。
これもダメ、あれもダメと価値観を狭めて行って本当に良い写真が撮れるのでしょうか?
最近、あるドラマに影響を受けました。
2018年に放送していた、高橋一生主演の「僕らは奇跡でできている」と言うドラマです。
皆さんはご存知でしょうか?
簡潔にストーリーを説明すると、高橋一生演じる、動物行動学を教える大学講師、相河は生き物のことや、自分が気になることについて考え始めると没頭しすぎて、時に人を困らせ苛立たせてしまう変わり者です。しかし、常識や固定概念に囚われない相河の言動により、次第に周りの人達の価値観を大きく変化させていくと言う物語です。
私はこのドラマを見て「価値観」「固定概念」「常識」が、今の自分の中で如何に凝り固まっていて、小さな世界で生きているのだろう…と心に突き刺さりました。
今年、成人する彼女。
大人っぽさを感じると同時に、あどけなさが少し残っているように感じました。
一般的な成人の写真と言えば、背筋を伸ばし、足は閉じて、手は重ね、口を閉じて優しく微笑み、カメラを見る…でしょうか?
もちろんキッチリした写真は必要です。
しかし、全て、そのような写真で彼女らしさが本当に伝わるのでしょうか…?
きっと、カメラを握っていたすーさんもそう思ったことでしょう。
撮影終盤、程よく緊張が解れ学校の事、将来の事を話してくれる彼女。ちょっとこちらの話しにノッてふざけてくれる姿が可愛らしくて、輝いて見えました。
最後にカメラマンのすーさんと共に、近くのイチョウ並木まで彼女を連れ出しました。
風が強く、振袖がヒラヒラ揺れ、私は必死に直さなければ!と動くもまた風で振袖は崩れます。次第に、これでいっか!揺れている振袖も綺麗だなと。
イチョウの葉を隣で散らしながら、彼女にもイチョウの葉を渡しました。
すーさんの声かけでイチョウの葉を舞い上げた彼女は同時にピョンとと飛び跳ねました。
飛び跳ねたのはこちらの指示ではなく、彼女自身から出たものです。
それは喜びだったり、楽しいと言う彼女自身の心の表現だったのではないでしょうか。
両手を上げて上へ行こうとする成人式を迎える彼女の姿は、希望で満ち溢れているようでした。
飛び跳ねると同時に、一緒に前髪もふわっと上がりました。その姿をみていた彼女のお母さんが「前髪が上がっているのもいいですね~!」と笑顔で言っていました。
この瞬間をすーさんは逃さず抑えていました。
一般的に考えると、75カットの中に入れるか正直迷うと思います。
しかし、この姿をみて彼女のお母さんは、前髪が上がっている所も「良い!かわいい!」とモニターの際も言っていました。この瞬間に、この写真の価値はグッと意味のある深いものになったのだと私は思いました。
価値観の話に戻ります。
私が言いたいことは、この写真を見て、「前髪が上がっているし、振袖も整えてないからいい写真ではない。」となってしまうような小さな価値観の中にいては、写真を楽しむことはできないという事です。
写真に価値を与える事ができるのは自分自身です。自分が自信をもって、その写真に意味を、価値を与えていける存在になりたいです。
そして、価値観とは人それぞれ違うものですが、その価値観の幅を広げられるカメラマンになりたいものです。
様々な角度から、幅広く写真として形に残す事ができるすーさんには、いつも驚かされ憧れます。
私の価値観を覆し広げてくださった、彼女と彼女のお母さん、すーさんありがとうございました。
ご成人、おめでとうございます。これからの良い出会いと、日々の新しい発見、成長があることを願っております。
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