フォトジェニック


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2018年6月のフォトジェニック

投稿日:2018/8/1

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Life Studio Soka
Photo by Lisa
Coordi by Kai

Title : 温度

季節の変わり目だからでしょうか。

毎朝気温を調べ、その日の服に着替えます。

 

雨の日、暗い日が多いからでしょうか。

冷たい、寒い。そう感じる日が続きました。

 

私が気温から体感するように、

写真を見て、写真から温度を感じることがあります。

 

温度を感じる要素はたくさんありますが、

カメラマンが操作できる写真の「色味」や、

被写体の持つ雰囲気や「表情」、

そして環境であるインテリアや「天候」

が大きく関与すると私は思いました。

 

 

この日は雨が降っていました。

スタジオ内は暗く、シャッターを切ると青っぽく冷たい色味をしています。

 

この日に出会ったのが、被写体である10歳の彼でした。

 

私が会った頃には彼一人でした。

 

急いで駐車場の車の方へ行くと、一緒に来ていたママさんはお姉ちゃんの迎えに行かなくてはいけないとのことで彼一人をスタジオに残し、先に撮影していてください!とのことでした。

取り残された彼が一人でも寂しくないように・・・なんて思う暇もなく、スタッフ総出で出迎えすぐに人気者の彼。

人見知りはあまり無く、どちらかと言えば社交的で、すぐに馴染んでくれたと思います。

盛り上がるスタッフに合わせて笑ってくれていた場面もあるかもしれません。

 

もう10歳。空気が読めます。

 

しかし、まだ10歳。時折表情から不安や寂しさが垣間見えます。

一人ですし、そうなるのが普通だと思います。

 

たくさん話しをする中で、彼のことを観察しまくっていた私は、

その寂しさを含んだ素の表情から冷たい温度を感じていました。

 

 

この雨という環境を活かして、この冷たさが伝わる写真を撮ろう。

そう思いました。

 

撮影を進めていくと、流石10歳!といったようにこちらの指示を上手くこなしてくれます。

 

彼に関しては、きっと撮られるのは嫌いではないと思います。

カメラを向けると表情を作ってくれる場面すらありました。

 

けれど、私が彼から感じた温度は、その中にある素の表情の時です。

 

彼には外を見てもらうように指示をしました。

私は外から窓越しに彼を撮影することにしました。

中に私の声は届きません。

 

物理的に距離をとることで、私の存在を少しでも忘れさせ、素の表情が出るシャッターチャンスを待ちました。

顔の緊張が緩み、遠くを見つめる瞳。

少し気だるそうな表情からは、冷たい温度を。

そしてこの天候の色味と調和することができました。

 

冷たい温度の写真を残したいと思ったのはカメラマンである私のエゴかもしれませんが、

彼だけの色を、彼の持つその時の温度を、表現したかったのです。

 

今回温度に気付けたのは彼のお陰です。

 

新しい世界に連れていってくれてありがとう!

語弊のないようにいうと、彼はよく笑い、優しく、温かいご両親の元で育った、とても温かい人です^^

また会いましょう^^

 

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それは、出会う全ての人が生きている証を確認できる場所になること。
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