フォトジェニックPhotogenic

2017年11月のフォトジェニック

2017/12/25

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Shinyokohama Photo
Photo by Ouchi


Title :『とくに意識せずに…』


人に写真に自分自身に深く入っていきたい
 
 
私達が本当に映し出したいものは何か?
最近改めて考えるきっかけがありました。
それは、Yukiちゃんのコーディネーター教育を務めさせて頂いてる中でのことでした。
 
ライフスタジオのコーディネーターに必要なことは大きく分けて二つあります。
技術とマインド。この二つです。
なぜ、この二つが必要なのかというと家族みんなの心の扉を開いてあげるためです。

お客様がスタジオに入り靴を脱いでスリッパに履き替えた瞬間から
まず最初に解決されなければいけない部分が心の扉を開放するという事です。
そして、撮影が始まってから家族みんなが自ら自由に動けるようにしてあげることです。

キレイな四角をつくることは誰でもできることですが
ライフスタジオのスタッフがするべきことは
人の心と体を自然に動けるようにしてあげることです。
 
もし写真館でこなすように撮影を進めているのなら良い写真など決して残すことはできないと考えます。
 
専門のモデルを撮影すると彼女たちのポーズはすべて自分たちで積極的に自然に出てくるものですが
一般のご家庭の皆さんをモデルのように撮影するには基本的に心と体の扉を開いてあげて
積極的に撮影に参加できるようにしてあげることが必要です。

だから、ライフスタジオのスタッフは人生の勉強を優先することになったのです。
カメラ技術にあたる露出、照明、インテリアなど・・・よりも
もっと重要な勉強が心理学、リーダーシップ、人間関係、哲学、文学、時事などが
撮影や人間関係作りに必要だと考えます。

よってライフスタジオでは、学習を通じて人間的成長をしていくことが日常化できるように努力をしています。 

また、ライフスタジオは関係設定に対して執拗さを持っています。
スタッフ同士がお互いに心を開いて接することができなければ
お客様とどのようにしてフレンドリーに接することができるのでしょうか?
 
だから、いつも私自身大切にしていることがあります。
人に写真に自分自身に深く入っていくことです。
この部分が本当に難しいので今でもまだまだ学びが必要だと感じています。
だからこうして、自分の考えを整理して文章を書き続けているのかもしれません。
 
7歳以下の子供や赤ちゃんの撮影の場合、2人一組の息が合っていることが重要です。
現在日本の写真館でアシスタントの役割は着物の線に問題ないかどうかのチェックや
カメラマンの身の回りのことをこなす程度の場合がほとんどですがそれでは
いい写真が撮れるはずがないと思います。

心と体の扉を開かせるということは、スタッフ間の心が通じていることが必須です。
韓国のベビースタジオではスタッフのデニムが3ヶ月で破けてしまうという話を社長から聞いたことがあります。
1日中子供の心を開くために床をはいつくばっているからです。

緊張で固まってしまっている子供に春の雪解けのように心と体を自由にほぐすことのできる
2人1組のすばらしいコンビが良い写真のための魔法だといえます。

なのでYukiちゃんと撮影に入るときは、特に意識的に私達たちの向き合っている家族一人一人が
どんな人か細かく観察をしてその都度共有してどのように向き合うのかを話しています。
その積み重ねが、人を知ることに繋がりますしお互いのコンビネーションも高まっていくと考えるからです。


今回の写真の核心は先ほど話した観察が細部まで行き届いている所です。

具体的には、被写体の左足の指先の一瞬の仕草から読み取ることが出来ます。
この仕草は彼女が無意識にしていることでした。
しかも、この仕草は撮影前にしていたのを確認していて、あぁぁ~いいなぁと思いながら
また、撮影中にもあの仕草してくれないかなと心の中で思っていました。

だから撮影が始まるよ!!という空気をあえて作らないよう自分の存在感をなるべく消すように
心がけ静かにシャッターを切り始めました。

そして、この一枚の写真が生まれました。
この写真を残せたとき、彼女の心と体を自由に開放させてあげることが
少しは出来たのではないかと確認することが出来ました。
 
なぜならば、無意識から生まれる人の美しさに勝るものはありません。

誰かを意識した美しさはどこか人工的な匂いがします。

被写体が自分自身に向き合い自分の美しさと対面する空間こそ私たちが提供したい空間です。

冒頭に話したように、私たちが本当に映しだしたい『自然な写真』は
今まで話したような過程があってこその結果だと思います。

Yukiちゃん、少し長くなりましたが人に写真に自分自身にこれからも深く入っていきましょう^^

~技術解説~

・小物の設定の意味
写真のイメージが、片付けがあまりされていな自分の部屋のような雰囲気を演出したく
洋服、靴、楽器など無造作にかつ計算的に配置しました。
一枚の資格を見たときに、被写体の重さと一番手前位にあるびわのようなカタチをした楽器を
リンクさせ、写真の左下と右下両方に重さを持ってくることで大胆なトリミングに違和感を感じさせないよう
バランスをもたせることができました。

・コーディネートの意味
透明感のある写真を個人的には好みです。
最近は、被写体の肌の色に馴染みやすいベージュを使ったコーディーネートが一押しで
今回のお子様にはオーバーサイズのタンクトップをさらっと着てもらい
ゆるい感じのルームウェアー的なコンセプトで提案をしました。

・イメージカットの意味
イメージカットの場合、伝えたいたいものが何かをメインに考えます。
ですので、背景をぼかしたり余計な物を写さないようにします。
よって写す前に、整える事が大事になります。
今回の場合背景や小物をぼかすことで被写体の仕草がより引き立って見えるようになりました。 

・トリミングの意味
75CUTにはストーリーが大切だといつも心がけています。
その中でこのようなイメージカットが原本に1枚2枚入ることによって
全体的な質が高まる効果を齎すことができます。
今回の写真は被写体の表情を四角の中に取り込まず
肩の部分で思いっきりトリミングをしました。
なぜならば、被写体の無意識な仕草をより美しく表現したかったからです。

・光の意味
新横浜店の光源は限られた窓から入る自然光によって写真の表現が左右されます。
大体午前中はホリゾントの手前の窓から光が入ります。
また、床が白いので反射板の役割を果たし椅子に座った被写体にも全身光が綺麗に当ります。
しかし、午後は逆にここからの光は入らずに化粧台の前から光が入ります。
ですのでこの写真はあの時間帯だったから撮れる写真です。
ここに椅子を置いた意図、この向きで被写体を座らせた意図、
カメラマンがどこから撮るか位置を考えた意図
全てこの光を美しく表現するために考えました。

技術解説を読んでいただくと分かるように題名とは矛盾した計算的な写真分析になります。
題名では、『とくに意識せずに…』ですが
文章では、『かなり分析して意識的に…』が似合います。

それだからいいのだと思います。

被写体にカメラマンの指示が命令的に伝わったら自然な写真は撮れません。
だから、私達は相手に話しかけるようにシャッターボタンに触れなければいけません。
 

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