店舗フォトジェニック集
Photogenic
愛ある涙。
投稿日:2022/4/20     更新日:2022/4/20
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わたしは、小さい頃からぬいぐるみが好きでした。
赤ちゃんの時から持っていた白黒のわんちゃん。手には赤いハートを持っている可愛い子ちゃんです。
今も実家に置いてあって、すでに年季ものでありクタってしまっていますが…
たまーに手に取ると小さい頃に持って遊んでいたことを思い出します。
そんなストーリーを1枚に収めた写真が今回わたしの載せるフォトジェニックです。
今回出会った7歳の女の子。
私と同じく、ぬいぐるみが大好きな子のお話です。
3人きょうだいの末っ子ちゃん。
冗談にも笑ってくれるお姉ちゃんとユーモアあるお兄ちゃんがいました。
プラス、持ってきたディズニーキャラクターのダッフィー。
少~し色褪せて、少~しお洋服にほつれもあったダッフィー。
赤ちゃんの頃からもっていた「心の友」なのだとか。
撮影後お参りに行くため、最初からドレスで撮影ができた彼女はるんるんで、
持ってきたダッフィーをお供に撮影。
生まれたばかりの赤ちゃんを扱うお母さんのように優しく抱っこする彼女を見て、
「本当にぬいぐるみに愛情がある優しい子なんだなぁ」と1人と1匹の可愛く微笑ましいひとときを見せてもらいました。
そのあとお着物の撮影が始まり、この後お参りにいくのでお着物はきつめにお支度。
彼女にも負担をなるべくかけないようにスムーズにいくよう撮影を終えて、残すはきょうだい撮影。
七五三の撮影となると、しっかりお着物が見えるように、髪飾りもよく見える向きで。綺麗なポーズもできたらすごい!!
・・・いやすごいけどそんなの固定概念だよね?!
と、撮影する上で枠にはまってしまいそうになる自分自身にビシッと喝を入れます。
1枚はちゃんと撮って、こちらから投げかけたらこのあとどう動くか想定のつかない動きを残してあげようと思いました。
なぜなら彼女は、感情のままに動いてくれる子だと撮影中気付いたから。
「大好きなぬいぐるみを使って、撮影しよう!!!」
__そして、ぬいぐるみにたくさんの愛情を捧げる彼女に事件は起きます…。
ぬいぐるみのキャッチボールを提案して「かわいそうだからだめ!!」
ぬいぐるみが大好きだから、そんなことはできないと反対してくれました。
動きやすいように草履は脱ぎ捨て、カバンも置いたままで鞠でキャッチボールをしてくれたあと、
お兄ちゃんがフェイクでぬいぐるみを妹に投げました。
「うわぁあぁぁやだあああああああああああああ」
着物を着ていることすら忘れ、尻餅をつくくらいの勢いで座り込み、メイクも関係なく顔を抑え泣いてしまいました。
慌ててカメラを思わず、置いて彼女に駆け寄ると、妹を見下ろすお姉ちゃんとお兄ちゃんは動じずにまさかの一言!?
「それ、嘘泣きだよ」
「え”!!?」
思わず鳩がマメ鉄砲を食らった顔になってしまいましたが、すぐに我に返りこれが日常であるならば、撮らなきゃ!!
置かれたままのバッグ、無造作な草履、後ろにはだいすきな特大くまちゃん!いつのまにか落ちていた扇子!!OK!
今の彼女の乱れた感情と、何もいじられていない落ちている小物の条件がぴったりでした。
遠くから見守るように手前にあった草履を着物と前ボケにして遠近法で。
今でもこの写真を見返すたび、その瞬間の泣き声が鮮明に聞こえてきます…笑
それが「思い出の記録」ということですね。
この子にとって、今大切にしているもの、この「今」を残しておくことがわたしたちの仕事であり、
それを残せたものこそが家族の思い出のひとつに残りますように。
(この撮影の後、どうなったか?)
泣いちゃった理由を聞くと「くまが投げられると痛いし可哀想だから。」と教えてくれました。…かわいい…
ドレスの撮影で片時も離さなかったダッフィーは、実はお着物の撮影の時に美容師の先生がほつれを直してくれたようで、
直ったことを知った彼女は喜んでお参りにお出かけに行ったそうです♪
Photo by :uma
written by :uma
Coordinate :king
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