店舗フォトジェニック集
Photogenic
結果であり目的でないこと
投稿日:2026/7/16     更新日:2026/7/16
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この写真は、自然光だけでも、人工光だけでも成立しない。
画面の奥には窓から差し込む柔らかな自然光があり、
右側からはわずかに人工光を添えている。
二つの異なる光源を重ねることで、人物の輪郭を失わず、窓辺特有の明るさと立体感を両立させた。
光は主張するためではなく、この子の存在を美しく見せるためにある。
構図も同じ考え方で組み立てている。
画面を縦に走る椅子の背もたれは、視線を安定させる一本の軸となる。
その隣には少女の身体がほぼ同じ方向のラインを描き、二つの縦の流れが画面全体に静けさを与えている。
さらに背景には、白く溶けながらもわずかに残る窓の格子がある。
強い逆光の中でも空間の構造を失わせず、奥行きを感じられるようにしている。
床にはハイヒールが無造作に置かれている。
本来であれば、写真の情報量は増え、視線は散らばりやすくなる。
しかし、明暗差、前後の距離、光の整理によって、それらは画面の中で役割を持ち、人物から視線を奪うことはない。
情報は多い。
それでも主役は、この少女である。
私は、写真のために世界を作り込みたいとは思わない。
衣装を増やし、光を複雑にし、小物を足し続ければ、完成度は高く見えるかもしれない。
しかし、足し算を重ねるほど、「誰を撮った写真なのか」は薄れていく。
それは私が目指すものではない。
もしくは私にはその能力がない。
ライフスタジオで大切にしているのは、「写真を撮るために遊ぶ」のではなく、「遊んだ時間が写真として残る」という順番である。
迷子になりそうなとき必ず立ち返るのはその言葉だ。
この少女は、何か特別なポーズをしているわけではない。
ただ、夢中になって遊んだ。
何をしているのか、その答えはここにいた私たちしか知らない。
だからこそ、見る人はその余白に自分の記憶や物語を重ねることができる。
私は、この子の存在を主役に据えるために、光を整え、構図を整理し、空間を少し整理した。
その積み重ねの先に生まれたものが、この一枚である。
美しい写真を撮ることが目的ではない。
美しい時間をともに過ごした結果として、この写真が生まれた。
私は、その順番を何よりも大切にしている。
だからハイヒールは散らかっていて然るべきで
パールネックレスもこれでいい。
提出期限が過ぎてしまっても
写真をアップロードすること、これもいい。
だってコンテストに参加するために写真を残していないからだ。
だけど見てほしい。
だから投稿する。
理由はこの写真の光が美しくて彩りを失わない時間の記憶があるからだ。
written&photo by *mari*
Coordinated by MiyuSakakibara
studio Toyokawa
model miiyan
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