店舗フォトジェニック集Photogenic

境界線

2020/2/24

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TOKOROZAWA photo

 

photo:volvo

codi:yoko moriya

 

最近、写真について悩むことが多いような気がしています。

悩むと言っても頭を抱えるような苦悩ではありませんが、毎日の活動の中で

常に頭の片隅にあるような悩みです。

 

それは写真を撮っている時でも、それ以外の仕事をしている時でも感じます。

ここのところ写真を撮る機会というのが前に比べれば減ってきたように思います。

 

私ももういい年齢になってきて、写真を撮る以外の仕事も年々増えていく事で

少なからず写真というものとの距離感が生まれているのも事実です。

 

いつかの写真分析に「自分は芸術家では無い」と書きましたが

私は写真の世界で飛び抜けた才能をもっているわけでもありませんし

センスが爆発してるようなタイプでも無いので、写真の世界で

ぶっちぎるというのは難しいのだと気付いている反面、誰にも負けたくないという

センスとは別の、ただの負けん気だけがあって、ここにいるような気もあります。

 

いろんな仕事に携わらせていただいていることは本当にありがたいことです。

たいしてできることもない自分が、ただ一番先に手を挙げているという理由だけでなんでもやらせてもらえる

環境があるというのは本当にありがたいですし、自分次第でなんにでもなれる、どんな成長でもできるというのが

ライフスタジオの特徴でもあります。

 

しかしその反面「もっと写真の事を考えたいな」と思う時も正直あります。

もっと上手くなりたいという欲求は後を絶ちませんし、できることなら

一番になって「センスの有無なんか関係ない」と豪語してみたい気持ちもあります。

 

ここ数年その境界線をウロウロとしながら、外に出れば新しい仕事をし

店舗に戻ればカメラマンとして何かを生み出したいという気持ちを持って悩みながら

シャッターを押している日々です。

 

例えば写真主題が設定されているような時であれば別ですが、写真に対する組織的な動きが静かになってきた時

本当に自分がカメラマンとして挑戦する心があるのかどうかが試されます。

人に火をもらい燃やされる立場ではなく、自らに点火できるかどうか。

 

写真というのは、何も考えないで毎日撮影しても上手くはなりません。

自分に課題意識を持って取り組めているかどうかで写真の腕は変化していくと思っています。

 

この日、自分の中に一つの課題が生まれていました。

それは「思いっきりお客様の希望に応えてみよう」というものです。

 

お客様の希望というのは撮影前に必ず伺うべきものですが

「希望どうり撮る」のか「希望を超えた写真を撮る」のか、その意識の違いが

お客様の想像を超える境界線なのかなと思います。

 

この撮影では、特にそれをそれを意識してみました。

ご希望は「いつもの明るい雰囲気だけじゃなくてガレージのようなかっこいい雰囲気で撮りたい」というものでした。

これをただ「ガレージ希望」と捉えれば、それは場所の指定に過ぎずただそこに行って撮影さえすれば願いは叶います。

 

「ガレージで撮影したい」=「何を意味するの?」

 

これが大事だと思います。

私はこれの意味を、2歳からライフスタジオに来てくれているこのご家族にとって

子供から大人に変わっていく境界線を映してほしいという意味と捉えました(勝手に)

 

体操を習っていて側転の写真を毎回撮影されているということで、それも撮りましたが

それは経年による変化をわかりやすく感じるための写真だと思いますし、どんどん体操が

上手くなっていく彼の足跡のようなものでもあると思います。

 

ただこの一枚は、ゆっくりと感じる成長の度合いを時系列のように表現するのではなく、ぱっと見で

明らかに子供として撮影してきた今までとは違うという事を表現してあげれたらいいと思い、撮影しました。

 

彼がちょうど、光と陰の境界線にいるような形で。

 

このぐらいの年齢になってくると、帰り際に親御さんが必ずいうのが

「何歳まで撮影させてくれるか・・・」という言葉です。

私はそういう時に伝えていることがあります。

「写真撮影を楽しいものだと思ってくれていれば必ず次も来たいと思ってくれますし、我々はそのためにいます」と。

もう次はないかもしれないと思いながら写真を撮りに来てくれる親御さんに、すこしでも我が子の成長を

感じてもらたら嬉しいなと思うと、また良い写真を撮りたくなります。

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