最初に彼女を見た時、私はすぐに思い浮かんだイメージがあります。

「ふんわり、柔らかい」

良く晴れたこの日に来てくれた彼女とは、淡い色のお着物の撮影から始まりました。
ふわふわにセットしたヘアスタイルに、チャームポイントとも呼べる柔らかそうなほっぺ。
そして「ふんわり柔らかく」微笑む彼女。
そんな姿を見て、出たのがこのイメージでした。

光たっぷりなスタジオで、逆光を活かしたふんわりとした柔らかい写真が合っていると。

 

そんな想いで撮影が進む中、
ヌーディーカラーの少し大人っぽいドレスを着た彼女の撮影をしていると、
1か所、きれいに光が差し込む場所を見つけました。
午前中から昼にかけて太陽が高くなってくる時間に入る自然光。

ナチュラルなドレスに馴染む木枠で縁取られた窓から差し込む光に、
最初はイメージ通りの逆光気味な光でふんわりと撮影をしていましたが、

ふと、この自然光なら彼女らしさを活かした違う写真が撮れるのではないか。

光に向かい合うように座らせて、
木枠の雰囲気に合わせて前ボケにはグリーンを使って空間を埋める。
被写体に当たる強い自然光を調整するために全体的に少し明るさを落として
ドレスに合わせた大人っぽい色味に。

スタジオ全体が明るく光が回っている環境。
その中でさらに光源に近づき明らかに質感の異なった光に現れる陰影と立体感。

だけど、陰影の強い写真はクールな印象を受けやすい。

私はあくまでも彼女らしい優しい雰囲気は残したかった。

この時間はスタジオ全体が明るくなるため影の部分も暗くなりすぎない。この光なら。

お顔は太陽の方向に上向かせ、彼女の瞳にうつるキャッチライトがキラキラとしている様子に明るい希望が滲む。
表情はあえてにこやかに、光に温度を含ませて、

 

私が受けた「ふんわり、柔らかい」を違った形で表現する。

 

 

 

photographer＆write：ku-chan

coordinator：gon-chan